内容説明
本書の中心テーマは、「奇跡」です。奇跡の問題はキリスト教では、仏教などとは異なり、信仰の核心に関わっています。伝統的にイエスはずっと、神の御子として、本当の人間でありながらまた真の神でもあると、信じられていました。神がイエスとして「受肉」して、この世に生まれ、人間すべての罪を担って十字架にかけられて死に、その死によって人間の罪をあがない、人間を、本来ならば罪に対する罰として受けるべき死から救い、イエスを信じる者に、永遠の生命に至る道を開いてくれたのだ、ということがキリスト教の教えでした。つまり、神自身がこの世に生まれて私たちのために死んだということが、キリスト教の中心的教義であり、大いなる「奇跡」だったのです。ルイスは本書で、奇跡は文字どおり起こったのだと論じ、科学は超自然の世界や神や天国が実在すること何ら否定もしないと、気づかせてくれます。科学は自然界の中で起こることを実験によって解きあかすものですから、自然界を超えたことは、科学の扱う領域の外のことなのです。ですから、超自然があるかどうかとか、超自然が自然界に例外的に介入すること―これこそ奇跡ですが―があるかどうかということは、科学によっては分からないのです。
目次
悪と神
奇跡
教義と宇宙
キリスト教についての問いに答える
「神話は事実になった」
「恐ろしい赤いもの」
宗教と科学
自然の法則
偉大なる奇跡
キリスト教護教論〔ほか〕
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