一円大王

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  • サイズ B6判/ページ数 238p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784944154715
  • NDC分類 916
  • Cコード C0095

内容説明

あふれでる人間臭さとリアリティ。一円で買えるモノを探し歩いた、しみじみおかしい異色見聞記。

目次

寒々しいデビュー戦、床屋にてカット代一円問答
知る人ぞ知る、谷中一円地蔵にお賽銭一円分
一円で買える携帯電話は使用可能か?
一g一円のレストランで一円分の食事をしてみる
昼下がりの谷中商店街、昔ながらの米屋で一円分の買い物
商いのプロが集うかっぱ橋商店街で、一円真剣勝負(箸袋篇;割り箸篇)
曇天の銀座で、一円分の靴磨きは果たして
新宿のサラ金で、一円借金契約を勝ちとれるか
カツラ会社で一本一円の植毛に挑戦
たった一人の贅沢一円落語会、お題は芝浜〔ほか〕

著者等紹介

谷口英久[タニグチエイキュウ]
1963年伊豆大島生まれ。美学校考現学教室修了。文筆家として、新聞・雑誌で仕事をする一方、焼酎杜氏兼代表として、伊豆大島の本格焼酎蔵を営む。街を徘徊し、鋭い観察眼と一風変わった視点で現代に生きる人やモノを鮮やかに描き出す
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ジョニーウォーカー

19
「一円分だけ売ってもらえませんか?」客から突然こんなお願いをされるのである。お店の人もたまったものではない。「領収書代にもならん」と笑いつつタイ米5gを分けてくれるお米屋さん、「お帰りください」と冷たくあしらう床屋さん…その反応はじつにさまざま。この本がスゴイのは、とにかくどんなお店でも一円交渉を試みているところ。大久保の外国人娼婦にまで「これ(一円)でキスして…?」と懇願するのである。正気の沙汰ではない。一円という最小単位のお金を通して見えてくる、現代のモノの価値、そして人。新鮮だった。2010/05/06

Te Quitor

7
一円分だけ売ってもらえませんか?あと領収書。床屋、サラ金、焼酎バー。モノの価値を一円という物差しではかる無謀な実験。一円で売る人の人間性がみえてくるのが面白い。ふと「一円を笑うものは一円に泣く」という言葉を思い出した。大雑把に言えば「一円でもいざという時困る事があるよ」という意味だ。しかし著者の行動は一円「で」店員が困る事。そういう時にこそ「どういう人間」なのかが見えてくるものなのだろうな。大変興味深い本だった。どんな状況であろうが一円は一円分の価値でしかない。変わっているのは状況であり、価値ではない。2015/06/12

おはる

4
想像してみて頂きたい。もし自分が物を売ることを生業としていて、 いきなり「これ一円分ください、領収書もつけて」なんて言う客が現われたとしたら…。本書は“一円大王”こと著者が一円玉一枚での買い物を通じて、現代の物の価値とは何かを見つめた記録である。当然ながら一円での買い物は普通の買い物では起こり得ない特異な状況を作り出す。怒る人、呆れる人、面白がる人…各々反応は様々。そこから見えてくるのは物というより、やはりそれを売る人間の価値であった。それを無謀な挑戦によって見せてくれた著者の勇気に感服。2010/06/01

くらた

1
街を歩いて一円分の買い物をする、というユニークなエッセイ。買い物のやりとりの中から人間が透けて見えてくるのが面白い。2009/07/20

メリンダ

0
1円の物を買うのではなくて、色んなお店などで1円分だけ買う(しかも領収書をもらう)という発想は面白く、またその相手のリアクションによって生まれる物語が興味深かったです。2012/11/28

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