内容説明
『この世界の片隅に』監督・片渕須直の出来るまで。
目次
二歳十一か月の記憶
魂を塗り替えられる
ふたつの名前
『漫画映画』の作り方・自習篇
ホームズ試験
ポリィのたからもの
四つの署名
ひみつ基地めいて、切なく、切実に
海底の財宝、香水の香り
明日の約束を返せ〔ほか〕
著者等紹介
片渕須直[カタブチスナオ]
1960年大阪府枚方市生れ。日本大学芸術学部映画学科卒。アニメーション映画監督。在学中に、のちに『風の谷のナウシカ』の併映作品として公開されることになる『名探偵ホームズ/青い紅玉の巻』『同/海底の財宝の巻』の脚本を書く。大学三年の冬休みから演出助手・脚本としてテレコム・アニメーションフィルムに通うことに。『魔女の宅急便』の監督予定だったが、最終的に宮崎駿が監督となり、演出補となる。監督デビュー作は『名犬ラッシー』(「世界名作劇場」)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ばんだねいっぺい
30
「片隅で」についてのことは、余り、分からなかったが、片渕さんが歩んできた道のりを知ることができてよかった。ミヤザキ的ではない何かというのが、よく、分からないのでじっくり考えることにしようと思った。それにしても、ほんとにアニメは、集合知のカタマリだ。血と汗の結晶だ。パクさんの幻の作品、観たかったなぁ。2020/01/03
兵士O
11
今年読んだ本の中で、一番エキサイティングで創作意欲が刺激された本です。若い時に関わった宮崎監督との思い出や、世界名作劇場で「名犬ラッシー」の監督を任された時の話など、読んでいる自分が片渕さんと一緒になったような感覚で、ワクワクしながら読んでいました。金の輪を頭にはめているアリーテ姫じゃないけど、片渕さんのこだわりを読んでいると、僕もめっちゃ絵の構想が浮かんできて、ブータンの学校で手掴みでカレー(?)を食べている女の子三人組などの画像をWEBから見つけて、アレンジして描いたりしました。手元に置きたい本です!2021/12/23
富士さん
4
ネットでは断片的に読んでいましたが、こうまとまるとすごい密度です。主にアニメ業界に入ってから『アリーテ姫』まので片渕監督の半生伝で、アニメ史の資料としても貴重な証言ですが、監督のアニメ技術者としての見識が随所にちりばめられているのが類書にない点だと思います。監督の技術への深い関心はよく耳にしていましたが、具体的には仮現運動くらいしか知らなかったので、演出家が直面する技術的な困難と解決過程のエピソードはとても貴重です。掲載メディアの慧眼もあると思いますが、こういう情報こそが堅実なアニメ研究には必要です。2020/01/22
月式
3
「この世界の片隅に」へと到る片渕監督の長く濃厚な道程。「魔女の宅急便」に参加したスタッフが中心となって設立されたSTUDIO 4℃にて総力を注ぎ込み完成した「アリーテ姫」の公開が、ジブリ史上最大のバケモノ映画となった「千と千尋の神隠し」と同じ週だったのは何か色々と想像してしまいます。様々な人々との出会いの中でも特に印象的なのが4℃の社長田中栄子さんと最強で最高のパートナー浦谷千恵さんとの関係性。2019/10/08
あんすこむたん
2
自叙伝。楽しむには少し知識のいる部分もあるが、貴重な記録であり、技術論ともいえる部分もある。出てくる人物も豪華で、アニメ業界の様々な人物の性格や関係性がうかがい知れる。2020/06/27