内容説明
神保町の一角で、駆け出しシェフの千晴が開店した喫茶ソウセキ。看板メニューは「漱石カレー」だ。イケメン新人作家として作品も大ヒットした小説家の葉山は、漱石カレーを食べて「漱石のことを何も知らない」と酷評。作り直すよう指示してくる。一方で葉山は、とある作家のことを気に病んでおり、ついには自殺願望を抱き始めるまでに……。不自然なまでに葉山の鬱病が進行していくことに疑問と不安を抱いていた千晴は、漱石カレー改良のために読んでいた『三四郎』をヒントに、真相を突き止め――。さらに、おばあさんが店に忘れていった古書の謎、名店と同じ味がするカレーの謎、そして、千晴の祖父が残した遺産の謎。カレーを作り古書を読みながら、千晴と葉山が美味しいミステリーを作ります。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ショースケ
177
初めて献本で当選して読み始めた(やった!)神田神保町で喫茶ソウセキを経営する千晴。ビルのオーナーでもある作家葉山はカレー好きの変人。一日一回はカレーを食べるが、漱石カレーにはケチをつけ味には色々とうるさい。千晴の母の形見である『三四郎』から話しが進み始め、あらゆる事件を2人で解決していく。探偵でもない千晴や葉山が謎解きをするのは置いといて、百閒や子規など文豪が話に出てきて興味深かった。カレーのレシピがあらゆるところに出てきて匂いまで伝わり、とにかくカレーが食べたくなる作品だ^_^2021/07/03
KAZOO
142
神保町でカレーのお店を開いた主人公が、大家で作家の人物と様々な事件を解決していくことになります。私も以前は神保町の古本屋巡りの後はボンディというカレー屋によく行ったものでした。ここでは苦戦中の主人公が、漱石カレー、百閒カレー、思ひ出カレーを考案していきます。さらに登場人物や両親とのかかわりも明らかになっていきます。続編も出るようですね。2024/06/26
machi☺︎︎゛
137
カレーと文豪⁇と思ったけど意外にも漱石や子規などもカレーを愛していたそうで、全然違和感なく入り込めた。喫茶ソウセキを営む千晴はなかなかお客さんの来ない事に悩んでいた。作家の葉山にダメ出しをされ看板メニューの漱石カレーをリメイクしてから、周りの事がいろいろと変わり始める。謎解きにも食べ物が関係していたり昔の有名な本も引用されていたりすごく興味深く読めた。これは是非シリーズ化してほしい。2022/03/02
へくとぱすかる
119
これはいい。日常の謎のように始まり、連作というよりも、ひとつの長編として、大きな謎を解きほぐしていく。そのキーワードが日本の国民食といっても過言ではないカレーである。食欲もそそるし、あの香りに包まれるような気がする。気難しそうな作家の葉山さんが、しだいにヒロインに対して好意的に見えてくるのも、読んでいて好ましく感じられる点だ。古書と漱石、カレー、そしてミステリ趣味。何より大好きな「あのミステリ作品」が登場するのも、個人的に高評価したいところ。これが読みたくなったのも、晩ごはんがカレーだったせいかな(笑)2021/06/15
ツン
107
表紙を見て、もっとライトノベルを想像していたのですが、思いの外、ミステリーでした。昔読んだミステリーを思い出させる感じ。おもしろかったです。2021/09/29
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