出版社内容情報
大好評だった『東海道中床屋ぞめき』の床屋写真集、第2弾。
気ままに探して、歩いて撮った床屋さん、94枚。
林さんの床屋ワールド全開です。
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現在、会社で歴代の写真部員がフィルム時代に撮った作家や文化人の写真を、ネガやポジから選んでデータベース化する仕事を担当している。
ネガの場合はベタ焼きを見ながら選ぶのだが、これがまたカメラマンの質が分かって面白い。もちろん自分のことは棚上げ。例えば、人物ポートレート(ここでは雑誌の 記事中に使われる挿し絵みたいな写真のことを限っていう)をワンカット撮るだけで 2本も3本もフィルムを使う者。ダラダラと同じようなカットだらけで、しかも写真がつまらない。インタビュー中の撮影や対談中の写真などにおけるカメラマンの立場など、言ってみれば邪魔な存在であり、速く撮って速くその場から去るのが当たり前 なのだが。と考えると、床屋さんを撮ることにも当てはまるのである。営業中なんだからサッサと撮らなきゃいけない。さらに考えてみるに、床屋撮影は一対一のポートレート撮影とほぼ一緒ではないかと。というのもまずは撮影交渉及び撮影内容の説明、撮影中には店主を安心させるため(新手の詐欺と間違われぬ様)や、店の事を色々知るために会話したり、魅力的な撮影ポイントをなるべく素早く見つけたり、革張りのソファーを如何に自分好みのテカテカ感を出すかとか(笑)等々。もちろんそんなにうまい具合にはいかないのだが。
写真を撮る部署から異動したため、仕事での人物撮影など現在は殆どないので、たまに自分でモデルに頼んで撮影することがある。人物撮影だと、初めはお互い緊張する。これは、やっぱり最近慣れてないからだなと思っていたのだが、思い返してみると、床屋撮影の時だっていつも撮り初めはガチガチで、店主に「撮っていいよ」と言われた瞬間からが武者震いの始まりなのである。 と、こんな具合にして撮りためた写真の中から、表紙その他を含めて94枚を選んで みました。
今回は前作の「東海道中床屋ぞめき」と違い地域シバリは無く、ちょっと中山道を歩いてみたり、以前旅先で見つけた床屋さんを再訪してみたり、知人やインスタグラム のフォロワーさんに情報もらってみたりというように、気分次第でマイ「トコヤ·ロ ード」を旅してみました。 情報頂いた皆さま、撮らせて頂いた店主さま、有難うございます。
林朋彦 はやしともひこ
(本書あとがきより)
感想・レビュー
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退院した雨巫女。
ともがら
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ぺんぐぃん