内容説明
オキナワン・ロックの女王、といわれる喜屋武マリー。彼女はハーフである。父はイタリア系アメリカ人。その父は沖縄から朝鮮戦線に派遣されて戦死した。だから、マリーは父を知らない。マリーがロック歌手として誕生するのは、ベトナム戦争がきっかけである。沖縄基地から戦いに狩り出されるアメリカ兵の前で、彼女はいのちを張って歌った。マリーの夫である喜屋武幸雄は、太平洋戦争末期の生まれ。10月10日の大空襲で、北部に逃げまどった子供であった。そしてやがて沖縄ロックの開拓者となる。いま、2人の子を持つこの夫婦は、沖縄の心を世界へのメッセージとして歌いつづける。この夫婦を語ることは、沖縄の戦後史を語ることにもなる。
目次
PEACEFUL LOVE
赤毛のマリー
少年の原風景
ロックへの旅立ち
16歳の結婚
ベトナム戦争の影で
コザの夜空が燃える
挫折の季節
マリーのデビュー
失意の淵に立って
GOOD FEELING
まだ書いてない日記
-
- 電子書籍
- 人狼 徳間文庫