出版社内容情報
ま冬の森のはずれ。エルシーはたったひとりの生活をしています。ある夜、神様におねがいしました。「かわいくて大きなねこを おつかわしください」。朝になると、ゆきでできた大きなねこが“ニャーオ”!エルシーはしあわせでした。しかし「けっして ゆきのねこを家にいれてはならない」という神さまとの約束をやぶり、ゆきのねこは溶けてしまいます。泣き悲しむエルシーに神様は言いました。「ゆきのねこは、今でもあなたの友だちです。ちがうかたちで ですけど」。ゆきのねこは生きました。今でも、今日でも、森のはずれの小道をたどるなら、お日さまの光をうけて宝石のようにきらめいているゆきのねこに、きっと 会うことができるのです。(編集企画室 U・A)
およそ10~11才から
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ぶち
79
森のはずれの小さい家に一人で暮らしているエルシーは、神さまにねこをお願いしました。神さまはすぐに新しいふわふわの雪で可愛くて大きなねこをつくりました。エルシーは幸せでした。しかし、「ゆきのねこを家にいれてはならない」という神さまとの約束を破ってしまいます。雪でできていますからストーブの熱で...。"神様との約束をやぶるからです" で終わらないのがこの本の素敵なところ。泣き悲しむエルシーに神様は言いました。「ゆきのねこは、今でもあなたの友だちです。違うかたちでですけど」。少し哀しくて心に沁みるお話しでした。2019/01/11
Hideto-S@仮想書店 月舟書房
30
独りぼっちがさみしくて、エルシーは神さまに「ねこがほしい」と願います。貧しくて食べ物が充分にあげられないので、叶うならお腹がすかないねこを。神さまは聞き入れて、ゆきで作ったねこをエルシーに贈ります。たちまち友だちになったエルシーとねこ。でも暖炉が燃えている部屋には入れられない。悲しそうなねこをみて「少しだけ……」と扉を開けたエルシー。だけど次の朝……。本書の出版を待たず46歳で夭逝した作者。ラストシーンには〈姿は変わってもそばにいるよ〉という思いを託したのかも知れません。2014/05/10
mntmt
24
不思議な話だった。水色の中の白い雪模様が素敵。2018/01/10
絵本専門士 おはなし会 芽ぶっく
12
森のはずれのちいさな家に一人で暮らすエルシーは、神様に猫が欲しいと願います。すると神さまは雪で大きな猫を作り与えてくれました。一人ぼっちじゃないエルシーは、自分の好きな場所を紹介したり仲良くしていましたが、神様から家の中に入れてはいけないという約束を破ってしまいます…。真冬の情景が冒頭に書かれていますが、雪の中は音も感じず、この世に自分一人しかいないのかも?ということがあります。エルシーの気持ちが伝わってきました。著者のダイヤルさんは7作品を遺していますが、こちらの本だけ没後出版だそうです。2021/01/15
遠い日
10
雪に覆われた森のはずれでの寂しい寂しい一人暮らしに耐えかね、神様にお願いをしたエルシー。「大きなかわいい猫をください」。願いは叶い、エルシーは、無聊を託つこともなくなったが、望みというものは次々沸き起こるもの。神様との約束を破ってしまったエルシー。悲しみが戻るかと思いきや、エルシーに次なる楽しみを与えてくれた雪の猫。もう、どこにも行かない。2017/12/19
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