内容説明
「日本存亡のとき」「大国日本の世渡り学」「遺稿「21世紀の国際政治と安全保障の基本問題」」など80年代以降の仕事から。
目次
日本存亡のとき(われわれは幻想の終了した時代に生きている;世界はひとつでもありひとつでもない;冷戦の戦後処理と将来の展望 ほか)
大国日本の世渡り学―国際摩擦を考える(孤独への強さ―イギリスの交渉術の根源;歪みと疲れ―戦後40年と明治40年;ジレンマに直面して―経済摩擦への対応 ほか)
論文選(痛みを分かち合わない国民と政治家;増税か福祉かの選択;安逸な風潮が生む「日本たたき」 ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
金吾
6
○久しぶりに高坂教授の本を読みましたが、30年たっても色褪せない内容は凄いと感じます。冷戦終了直後にボーダーレスにはすすまないとかは当時の空気からすると至言かなと思います。国際政治学者のほとんどが思想的に偏狭かなと思っていた時代でしたが、まともだなと感じていたことを思い出しました。2020/07/07
denken
0
日本の現状に憤り,警鐘を鳴らす作品が多く収録されている。でもまあそういうところよりも,歴史の扱い方とかを述べた「孤独への強さ」が気に入っている。p238「似たようなことは過去にいくつかおこっており、しかもそれぞれ少しずつちがう。」「人間の責任」は短くも切れ味鋭い。p607「責任をとる資格のないものが責任をとると言ってみても、それは空しいジェスチャーである。」2010/06/07