出版社内容情報
システムはある。ただあたえられている。行為システム論からコミュニケーションシステム論へ、ルーマンの探究の先にあるものとは。
「システムがある」こと、「社会がある」こと、「コミュニケーションがある」こと。ルーマンの思考を追跡しながら、そこで何が考えられ、何が考えられなかったかを問う。ルーマン自身を等価な可能性の一つとして、読み解くことがきりひらく新たな地平。世界をシステムで覆いつくす究極のシステム論の裂け目が、いま、あらわにされる。
序章 手の記憶
1 四つの手
2 「システムがある」こと
3 理論社会学へ
4 カードのシステム
5 本の構成:前半
6 本の構成:後半
7 社会学とルーマン
8 システムへ、そしてシステムから
(付記 訳語対照表)
第一章 閉じえぬ言及の環 意味システム論へ
1 二つの転換点
2 行為とシステム
3 システム論の「言語論的転回」
4 相互作用システムとは何か
5 接続し接続される行為
6 境界と自己産出
7 システム描写のゆれ
8 全体社会とコミュニケーション
9 超越論的視点のすべりこみ
10 社会を語る地平
第二章 コミュニケーションそして/あるいはシステム
長岡克行氏の批判に応えて
1 批判と応答 その経緯
2 相互作用はシステムであるのか 「二つの定義を」をめぐって
3 全体社会と組織 システム協会定義をめぐって
4 行為─コミュニケーションの接続 二重の不確定性をめぐって
5 システムの根本概念としての意味
間奏1 システムの世紀末 Niklas Luhmann, Soziologische Aufklärung 2
第三章 コミュニケーションシステムへの探求 社会の秩序とシステムの存在
1 ルーマンのシステム論
2 行為システムとのちがい
3 行為の非原子論:文脈と解釈
4 コミュニケーションという要素
5 システムの存在問題を解く
6 行為することの不確定性
7 「コミュニケーション」定義の変位
8 コミュニケーションシステム論とは何か
9 組織システムとコミュニケーションシステム
10 システム/環境図式をこえて
11 道標として
第四章 システムの公理系 作動の閉鎖性と「他でもありうること」
1 閉じているから開いている?
2 システムの内と外
3 コミュニケーションシステム論の再構築
間奏2 つながりは世界を断線する Connected World was disconnected
第五章 官僚制と官僚制化 組織システム論の視界と限界
1 「社会変動」への視線
2 社会と組織の二重性
3 官僚制の定義論
4 組織を行為から見る
5 集権的分権化のしかけ
6 行為連鎖と不確定性
7 組織と自己産出
8 手続きと準手続き
9 法と官僚制の相互依存
10 不条理への対抗戦略
11 責任と無責任の循環
12 組織と社会の逆立
13 官僚制とその外部
14 官僚制を考える意味と責任
第六章 国民国家の「臨界」 国民/市民の二重体
1 国家を考える
2 国民国家の成立要件
3 「国民」のシステム
4 市民社会モデルの位置価
5 国民国家の形成史
6 「市民社会」のリアリティ
7 個人の外部性
8 「国民/市民」の多重秩序
9 地球環境問題の困難
10 システムの自己写像と覇権国家
11 国民国家の臨界とは
間奏3 公共性の原風景をめぐって 社会的装置としての公共性
第七章 世界システムという物語 終わらぬ世界と「歴史」の終わり
1 世界の果てと因果の果て
2 歴史VS.科学?
3 比較と因果
4 分割される時空
5 世界システム論の矛盾と破綻
6 歴史物語への回帰
7 因果システムの意味境界
第八章 眺める桜と睦む桜 都市と異界をめぐる考察
1 普賢象の春
2 八重桜の都
3 都市と異界と桜
4 里と山の生態史
5 土地と桜の近代
6 閉域とその外 都市のシステムへの問い
終章 ルーマンと私
あとがき
文献
索引
内容説明
行為システム論からコミュニケーションシステム論へ、ルーマンの探究の先にあるものとは何か。
目次
序章 手の記憶
第1章 閉じえぬ言及の環 意味システム論へ
第2章 コミュニケーションそして/あるいはシステム 長岡克行氏の批判に応えて
第3章 コミュニケーションシステムへの探求 社会の秩序とシステムの存在
第4章 システムの公理系 作動の閉鎖性と「他でもありうること」
第5章 官僚制と官僚制化 組織システム論の視界と限界
第6章 国民国家の「臨界」国民/市民の二重体
第7章 世界システムという物語 終わらぬ世界と「歴史」の終わり
第8章 眺める桜と睦む桜 都市と異界をめぐる考察
終章 ルーマンと私
著者等紹介
佐藤俊樹[サトウトシキ]
1963年広島県生まれ。東京大学大学院社会学研究科博士課程中退。東京大学大学院総合文化研究科准教授。博士(社会学)。専攻は比較社会学、日本社会論(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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