内容説明
本書は、シェイクスピアの劇作術の妙技によって、観客がいかに操作されているのかを論じている。
目次
創作年代および諸定義に関する覚書
第1章 序論―シェイクスピアと反応の研究
第2章 「登場人物」の印象
第3章 反応と劇的パースペクティブ
第4章 ブルータスへの共感
第5章 ハムレット―観察者と意識
第6章 オセローの秘かな動機
第7章 リアの心
第8章 「マクベス」―犠牲者である殺人者
第9章 アントニー対クレオパトラ
第10章 「コリオレーナス」の明快さ
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
viola
3
観客反応に着目した専門書。7つの悲劇とは、ジュリアス・シーザー、ハムレット、オセロー、リア王、マクベス、アントニーとクレオパトラ、コリオレイナスです。特に面白かったのは『オセロー』。これまた着眼点が独特なので、そんな見方もあったのかと勉強になります。最近特にシェイクスピア専門書を読むのが楽しくてたまりません。専門書の中でどの作品を扱っていても、(先行研究の)国内国外問わず、研究者で知らない名前を目にする機会がだいぶ減ってきました。「名前」であって、さすがに全部読破するなんて数百年生きても無理そうですが・・2013/01/17