内容説明
本書は、良寛の漢詩・短歌・施頭歌・長歌・俳句・手紙・書きつけ、貞心尼が良寛の死後編纂した歌集「蓮の露」などから、55編を選んだ詞華集(アンソロジー)。
感想・レビュー
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なお
37
良寛は江戸後期の曹洞宗の禅僧。諸国を行脚した後、故郷の越後で托鉢生活をした。この本には漢詩、短歌、長歌等が載る。「この里に手まりつきつつ子どもらと遊ぶ春日は暮れずともよし」という歌の素直さ。良寛の懐にはいつも手毬があったという。心の在り方を詠んだ歌「如何なるが苦しきものと問ふならば人をへだつる心とこたへよ」。晩年、良寛は弟子の貞心尼に恋をする。「心なきものにもあるか白雪は君が来る日に降るべきものか」二人の相聞歌も微笑ましい。貞心尼は良寛の死後、歌集『蓮の露』を編纂した。良寛の作品を後世に伝えたのである。2025/02/28
てんちゃん
22
良寛さんの漢詩は初読み。漢詩って難しいイメージだったけど、良寛さんの詠む漢詩はとっても優しくて驚きました。これは漢詩ではないけどお気に入りを一歌。「こひしくば たづねて来ませわが宿は 腰の山もと たどりたどりに」2018/09/30
ムーミン
16
落ち着け。心静かに。今この時間にじっくり浸る。2020/05/05
稽子
5
「とめはねっ!」で良寛さん出てきたなぁ~、と思って読みました。装丁・画を担当しておられる島田光雄の簡素な墨絵が良い雰囲気でした。2024/05/03
まわた
1
再読 良寛さんのうたはいまもむかしも変わらない人間の本質をついているような気がします。柔らかくやさしいですが、時にはっと身につまされるうたもちらばっています。「如何なるが 苦しきものと問ふならば 人をへだつる心と こたへよ」2009/09/28