内容説明
いま、素直でまじめな、いわゆる「いい子」による犯罪が目立っている。彼らはどのような家庭・学校生活を送ってきたのか。「いい子」とは彼らにとって何を意味するのか。「いい子」の非行事例をもとに、現代の文化的・教育的課題をさぐる。親や教師たちへ送る警醒の書!著者は、家庭裁判所の調査官で、文部省第十六期中央教育審議会専門委員の経験をもつ。非行問題の核心に迫り、その解決法を臨床的に提示する。初版刊行後、さらに問題が深刻化する「いい子」の非行問題について、第一人者の著者が最近の事例を増補し、親と直接交した論議をも併録、問題解決への糸口を提案する。
目次
おれはできる
ぼくのなかにいたぼくが怒った
よい子の息切れ
別にだれでもよかった
正選手になれなければ意味がない
ぼくは普通の少年と違う
ワクワクする「おやじ狩り」
将来は専門職に就きたい
留学を夢見て
深夜の単独暴走
増補事例一 もう疲れた
増補事例二 見逃されるサイン
あらためて問う遊びや自然体験の大切さ
まとめと提言
著者等紹介
佐々木光郎[ササキミツロウ]
東京家庭裁判所・総括主任家庭裁判所調査官。1946年秋田県生まれ。1973年東北大学大学院教育学研究科修士課程修了。1991年最高裁家庭裁判所調査官研修所教官、1997年文部省第十六期中教審専門委員。現在、日本生活指導学会及び日本司法福祉学会理事、東洋英和女学院大学大学院人間科学研究科非常勤講師を兼ねる
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