内容説明
森羅万象に内在し、創造と進化を生み出し、個々の人格の中にもあらわれる―ホーリズム。物質と生命と精神を統合的に説明する原理を提唱するホリスティック教育、ホリスティック医学の思想的原点。
目次
基本的な概念の是正
時間と空間の新たな概念
物質についての是正された概念
細胞と有機体
ホーリズムの一般的概念
ホーリズムの機能と基本原理
機械論とホーリズム
ダーウィン説とホーリズム
全体の器官としての心
全体としての人格
人格のいくつかの機能と理想
ホリスティックな宇宙
著者等紹介
スマッツ,ジャン・クリスチャン[スマッツ,ジャンクリスチャン][Smuts,Jan Christiaan]
1870‐1950。南アフリカ連邦の政治家・軍人・哲学者。ケープ植民地生まれ。ケンブリッジ大学を卒業し、弁護士資格を取得。南アフリカの首相として活動。国際連合創設には、世界で唯一人、国際連盟調印をも経験した全権大使として主導的な役割を果たした
石川光男[イシカワミツオ]
国際基督教大学名誉教授
片岡洋二[カタオカヨウジ]
神戸市立本庄中学校教諭
高橋史朗[タカハシシロウ]
明星大学教授
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感想・レビュー
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gachin
2
機械論的還元論へのアンチテーゼとして秀逸な本らしいんだけど、本書の100年前のゲーテ•20世期後半からの複雑系を齧った身からすると、知的興奮は殆ど無かった。僕がもっと思想史に明るければと悔やまれる。ただし、生命の成立•心の成立•人格の成立を同型的に理解しようという姿勢は僕に無いアイデアで面白かった。一国の首脳がこのレベルの理学寄りの思想書を書けるのには驚愕する。翻訳は往年の機械翻訳を彷彿とさせるもので、訳者が内容を理解しているとは到底思えない。訳者たちはどんな意図で80年前の本を訳したのだろうか?2020/09/20