内容説明
世界的に見られる葬礼泣き歌を、19世紀ロシア・セーヴェル地方において検証。天才的泣き女と謳われたフェドソーヴァの泣き歌を中心に、昔話、俚諺、俗信などの民間伝承資料を駆使し、当時の民衆の諸観念と泣き歌との関連を考察してゆく。
目次
序論 世界の泣きの文化
第1章 フェドソーヴァの生涯(誕生からペトロザヴォーツクに移り住むまで;ペトロザヴォーツク期;ペテルブルグ・モスクワ期;フェドソーヴァの泣き歌採録に関して)
第2章 「日没」あるいは「飛翔」のシンボリカ(「あの世」はどこにあるのか;「日没」の表象;「飛翔」の表象)
第3章 葬礼泣き歌に現われる「道」のシンボリカ(旅立ち;「あの世」への道程;世界樹―水平軸と垂直軸;「あの世」からの帰還)
第4章 葬礼泣き歌に現われる「鳥」のシンボリカ(鳩をめぐる表象;小夜啼鳥をめぐる表象;鴉をめぐる表象)
第5章 葬礼泣き歌に現われる「家」のシンボリカ(「門」の表象;「表階段」の表象;「戸」の表象;「玄関の間」の表象;「窓」の表象)
著者等紹介
中堀正洋[ナカホリマサヒロ]
1973年京都府生まれ。創価大学文学部外国語学科ロシア語専攻卒業。同大学院文学研究科博士後期課程修了。博士(英文学)。現在、創価大学文学部助教。専攻はスラヴ民俗学・文献学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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