内容説明
急な相談も、頼みごとも、じゃあ今から行く、で片付いてしまう。生家の団地に暮らす、なっちゃん(桜井奈津子)とノエチ(太田野枝)。イラストレーターのなっちゃんはフリマアプリで「不用品」を売買し、大学非常勤講師のノエチとおしゃべりしては、ちょっとした贅沢を楽しむ。幸せのひとつの形を描く、理想的な「二拠点生活」物語。
著者等紹介
藤野千夜[フジノチヤ]
1962年福岡県生まれ。千葉大学教育学部卒。95年「午後の時間割」で第14回海燕新人文学賞、98年『おしゃべり怪談』で第20回野間文芸新人賞、2000年『夏の約束』で第122回芥川賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
magurit
151
続編も一気読みした。セリフやなんかは、ドラマ見たから脳内吹き替えだし……。益々安定した緩さでホッコリした。多分、続編もあるだろう。早く読みたい。ふたりに会いたい。「またまた 団地のふたり」が出るのを待ちたい。2024/12/04
のぶ
140
前作はよく覚えていないし、ドラマも観ていない。同じ団地に住む50代前半の幼馴染、奈津子とノエチの穏やかな日常生活の模様にとにかく癒される。個人的には美味しそうな食べ物がたくさん出てくることもポイントが高かった。章ごとにとある日の収支が掲載されているのも面白い。居心地の良い環境で気の置けない人たちと過ごす毎日は、総じて楽しく幸せだろうなと思う。幸せとは、何かを得ることではなく感じるものと言われるが、この2人はそれが上手だ。芥川賞作家の描くゆるい物語。面白かったけど、あまり残るものはないと思う。2024/11/09
nico🐬波待ち中
83
去年NHKのドラマにハマっていたので、その続編を読めてとても嬉しい。役柄もドラマと重ね合わせて読むので、頭の中で即映像化できてしまう。なっちゃんとノエチが相変わらず仲良しなのが嬉しい。ドラマ同様、なっちゃんの作る料理はどれも美味しそう。ふたりで台湾料理を食べながら「台湾映画祭」と称して録画していた台湾映画をなっちゃん家でグダグダ観る場面は楽しそうで羨ましい。ただ欲を言えば、佐久間のおばちゃん以外の他の団地の人たちにももっとたくさん登場してほしかった。ドラマの方も続編がいつか始まるといいな。2025/03/01
chimako
80
ノエチと奈津子のゆる~い日常が続いている。フリマサイトで団地の人やあつ兄の「まだ使えるけど不要品」を売ったり、近所の喫茶店でホットケーキ食べたり、団地のビワや杏や梅を採ったり、苺をもらったり。大事件も起きず、心踊る出会いもなく、それでも結構楽しい毎日。こういうのに憧れる。何でもシェア出来る(もちろん気持ちも)友だちがいて近所の人たちとはそれなりの付き合いがあって、断るところはビシッと断り、面白い兄の家族もいる。友人を誘うのも気を遣い、世間が狭くなる今日この頃。キャストの声が脳内で飛び交う読書。癒される。2025/03/15
tetsubun1000mg
71
NHKBSのドラマを全編見ていたので、ノエチとなっちゃんが二人の女優が会話しているように見えてくる。表紙のイラストは衣装、体形も含めてお二人にピッタリ合っている。 この本を読んでいくと、二人の微妙な性格の違いも演じ分けていたのが分かってくる。 佐久間のおばちゃんが良いアクセントになっているし、NHKBSドラマも同じ俳優さんで続編やってくれないかな。2024/12/16