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出版社内容情報
貧しい人力車引きが、井戸をひとつ掘るという目的のために、全精力をかたむける姿を通して、人間信頼の喜びを謳歌する表題作。ほかに「ごん狐」「花の木村と盗人たち」など、代表作13編を収録。 小学校高学年~
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
東谷くまみ
37
毎朝少しずつ読む。心が澄んでいく様でとても有意義だった。清く正しくありたいが自意識と羞恥心の間に挟まれ生まれる煩悶。崇高な目的の前に芽生える悪い心。人間らしく生きながらも忘れてはいけない誠実さ、正直さ、良心、理想を思い出させてくれる。巻末に収録された詩は、南吉の母を思う心が滲み出ていて涙なくしては読めなかった。自身の病気に対する不安やいらだち、死への恐怖…それらが吐き出させる南吉の苦しい苦しい弱音。誰か受け止めてくれる人はいたのかな😢それでも湧き出る創作意欲。文机に向かう南吉の背中が見えるようだった。2021/03/07
nanako
1
美しい物語の短編集です。私は自分が子どもだったころ、どう思っていたのか、どう大人を見ていたのか忘れていました。新美南吉さんのこの本は子どもの頃の忘れてはいけない大切な感覚を思い出させてくれて、さらに、なんて表現すればいいんでしょうか?人が人と触れ合うことの美しいことと、悲しいことを教えてくれました。これから何度も読み返したい本です。2012/03/06