内容説明
20世紀初頭のニューヨーク。裕福な家庭で育った美貌の娘リリー・バートは、父の破産後もなお、華やかな社交界で生き抜くために、良縁を求めて悪戦苦闘する。耳に痛いことも言ってくれる友人の男性セルデンに心惹かれながらも、彼との結婚は考えられない。上流階級にひそむ悪意と嫉妬、運命のいたずらによって、リリーの人生は少しずつ、転落へと向かってゆく。『無垢の時代』『イーサン・フロム』など近年新訳の出版が相次いでいるイーディス・ウォートンの出世作、待望の新訳。
著者等紹介
ウォートン,イーディス[ウォートン,イーディス] [Wharton,Edith]
1862年にニューヨークの旧家ジョーンズ家の末娘として生まれる。23歳のときボストンの名家出身のエドワード・ウォートンと結婚するが、のち離婚。1890年に短編「マンスティ夫人の部屋からの眺め」(“Mrs.Manstey’s View”)を発表。1905年に故郷ニューヨークの社交界を舞台にした本書『歓楽の家』を刊行し、一躍ベストセラー作家となる。その後、年1冊のペースで作品を発表し、1920年に刊行した『無垢の時代』が、翌年ピューリッツァー賞を受賞。短編の書き手としての評価も高く、近年日本でも複数の短編集やアンソロジーが刊行されている。1937年没
加藤洋子[カトウヨウコ]
翻訳家。日本ユニ・エージェンシー翻訳教室講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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niki
6
1905年発刊のベストセラー、美女が没落してゆく物語と知り手に取る。主人公リリーは社交界で人気者にも関わらず、あらゆるチャンスを逃し、社交界の人々にはめられてゆく。ラストも予想できず面白い読書だった。当時の上陸社会はこんなにも薄っぺらいものだったのかと呆れたし、類い稀なる美貌を持ち機転も利くリリーなのに、あれよあれよという間に落ちてゆく流れが見事だった。リリーは本当は何がしたかったのか、彼女自身もわかっていなかったのだろう。「信頼こそが助けるための原動力」という言葉に考えさせられた。2025/11/22
アヴォカド
5
読書会のため2読目。いやー、なかなか。2025/07/26
アヴォカド
5
こういう結末だったか、、、2025/06/25




