内容説明
ひとりでも、できる。ふたりだからこそ、もある。職を失った赤池めぐみが就職したのは、天才、気まぐれと噂話の絶えない業界の有名人・桐生青のところだった。憧れていた同年代のスターと一緒に仕事ができると胸をはずませためぐみが直面したのは、机なしパソコンなし/迫りくる納期と催促の電話/修正に次ぐ修正…。そして、大きなプロジェクトの依頼が二人に届く。果たして、二人の仕事は?デザイン事務所と未来は?
著者等紹介
碧野圭[アオノケイ]
愛知県生まれ。東京学芸大学教育学部卒業。フリーライター、出版社勤務を経て、2006年『辞めない理由』で作家デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Karl Heintz Schneider
113
派遣契約を切られ住んでいたアパートも追い出されたデザイナーのめぐみは人気デザイナー桐生青の門を叩き、飼っている犬もろとも住み込みで働かせてもらうことに。面白かった!お仕事小説を書かせたら青野さんの右に出る人はいない。デザイン以外何もできないダメダメ人間の青にめぐみは困惑するが、スケジュール管理や対外交渉など得意分野を肩代わりすることにより自分の居場所・存在価値を見出してゆく。天才肌の青と努力家のめぐみ、正反対のふたりだが、お互いの欠点を補い合うことでやがて最強のバディに。その過程は読んでいてワクワクした。2024/04/15
おしゃべりメガネ
108
『書店ガール』などお仕事小説の名手碧野さんによる今回は装丁をはじめとしたお話。出版社との契約を切られた「めぐみ」は途方にくれかかっていたところ、親友からとある天才装丁家「青」の元で働くコトを紹介されます。なかなか考え方はじめ仕事スタイルだけでなく、ライフスタイルも個性的な「青」に最初は戸惑いつつも少しずつ距離感を縮めていき、いつしか二人はナイスなバディへと。相変わらず読みやすく、キャラもわかりやすい設定でストレスなく読めました。「めぐみ」と「青」のやりとりが時々、ギスギスするのがちょっとキツかったかも。2024/04/05
ひさか
107
2024年2月U-NEXT刊。書き下ろし。タイトルから、お部屋のレイアウトのお話かと思っていましたが、ブックデザインの話だったので、ちょっとびっくりでした。やや崖っぷちの赤池めぐみと少しエキセントリックな桐生青との掛け合いが楽しいです。パートナーとして互いが育って行く様子が面白い。特に残るところのない展開で、可もなく不可もなくというお話かな。表紙が赤と青の二人になっているのに読み終わって気づきました💦。2024/03/30
みかん🍊
91
契約を切られためぐみは犬を保護して飼っていたのを大家に見つかり住む家まで失う事になりそうだったが、憧れの天才装丁家青の元で離れの家に犬と共に住み働く事になる、人付き合いが苦手で不器用な青と会社員として経験値があるめぐみと犬と猫の生活とパートナーとしてのお仕事が始まる、つい内容や装丁だけに目が行ってしまうが本を作ると言う事は紙や印刷にまで拘るデザイナーとそれを叶えるために動く印刷会社、いろいろ注文をつけ采配する出版社、沢山の人の手が掛かっている、この本の奥付には紙の種類から装画、装丁までしっかり載っていた。2024/03/26
ベイマックス
89
装丁家と本のデザイナー二人の物語。猫も犬も出てきます。カッコイイ、理想的な社会人がたくさん登場するのは、ちょっと期待しすぎですけど、面白くて一気読みでした。二人の成長の続編期待。2024/04/28