内容説明
これが世界の学生が熱狂する「未来」の講義。
目次
1 未来について考える―哲学者、科学者、生物はどのように考えているか(未来とは何か―「川の時間」と「地図の時間」;実際的な未来思考―「関係性の時間」)
2 未来を操る―細菌、植物、動物はどのように未来を操るのか(細胞はどのように未来を操るか;植物や動物はどのように未来を操るか)
3 未来に備える―人間はどのように未来に備えるのか(人間の未来思考はどこが新しいのか;農耕時代の未来思考 ほか)
4 未来を想像する―人間、天文学あるいは宇宙論(近未来―この先100年;中程度の未来―人類の系統 ほか)
著者等紹介
クリスチャン,デイビッド[クリスチャン,デイビッド] [Christian,David]
歴史学者。オーストラリア・マッコーリー大学教授。同大学ビッグヒストリー研究所所長。オックスフォード大学でPh.D.を取得(ロシア史)
水谷淳[ミズタニジュン]
翻訳家。東京大学理学部卒
鍛原多惠子[カジハラタエコ]
翻訳家。米国フロリダ州ニューカレッジ卒(哲学・人類学専攻)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
breguet4194q
105
始めに人類史が始まる前の動植物の未来思考を紹介し、その後に人類史がスタートしてからの、その時代時代での未来思考を紹介しています。今後地球はどうなっていくのか、宇宙はどうなっていくのか。過去の文献や思想を交えて幅広く、また深く考察しています。中身もボリュームもスケールの大きい一冊です。2025/01/17
まろにしも
14
未来を予測するということは、人間だけの特質ではなく、あらゆる生命の本能であり、生存の本質である。宗教と科学の根源は、未来を予測することと無縁ではない、という視点が興味深い。宗教は、未来→人間の行いを何でもかんでも結びつけてしまう性質がある点が、現代の視点からみると受け入れ難く感じる部分もあるが、生き残る上で、いま以上に社会性が要求されたという時代背景もあったのだろう。現代は、人間の行動→未来というベクトルが強くなっている。それを方向づけるのは、個々の宗教でも科学でもないように思う。2023/09/02
Yuki2018
9
ビッグヒストリーという学問分野があること自体、知らなかったのだが、”自然科学と人文科学を結合した学際的アプローチで長い時間枠・大きな文脈で人間存在を探求する”ものらしい。本書はまさにそうした内容。確かに面白く、視野を広げるのに役に立つ一冊。ただ、個人的には色んな専門的研究の成果を、無理矢理くっつけているように感じられた。また肝心の近未来予測は根拠が曖昧で、環境左翼のような論調となっており説得力がない。中未来予想はほとんどSFのパクリ。最も予想困難なのは人類の行いということだろうか。2023/06/10
naohumi
9
時間の流れ、深さ、関係性。さらには生物にとっての未来。また、人の未来思考から今後の未来を予測する展開までを考えてみた。過去と未来。様々な学問の成り立ちの上に未来を考え、政治的経済的にも私たちは、どんな未来を迎えるのか。それに対する備え等問いが立つ本であった。2023/01/02
にしやん
8
著者である歴史学の教授が、哲学的観点からA系列時間、B系列時間にはじまり、生物学、占い、数学、物理、天文学の様々な観点から1秒先〜宇宙の終わりまで議論する、まさにビッグヒストリーの本、一人の著者が論じるにはあまりにも広い範囲をカバーしていて圧巻でした。2024/02/06