内容説明
人口80万の小国チェチェンはいかにして大国ロシアの侵攻をはねかえしたのか?自らの「独立と誇り」をかけたチェチェン戦士たちの1年8か月にわたる戦いに極限まで接近した傑作ノンフィクション!!
目次
第1章 チェチェンとの出会い
第2章 潰された平和行進
第3章 サマーシキ村大虐殺の真相
第4章 三〇〇年にわたるロシア支配
第5章 チェチェン全土に拡がる抵抗運動
第6章 山岳部のゲリラ村にて
第7章 緊迫のセルナボツク村潜入
第8章 ドゥダーエフ最後のメッセージ
第9章 停戦―傷だらけの勝利
第10章 第二次チェチェン戦争、再会への旅
第11章 ウクライナ侵攻の原点はチェチェン戦争
著者等紹介
林克明[ハヤシマサアキ]
1960年長野市生まれ。業界誌記者を経て「週刊現代」記者。1995年1月からモスクワに移りチェチェン戦争を取材、1996年12月帰国。第一作『カフカスの小さな国』で小学館ノンフィクション賞優秀賞受賞。『ジャーナリストの誕生』で週刊金曜日ルポルタージュ大賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Marcel Proust
3
チェチェン戦争に関する本は以前、常岡浩介の本を読んでいたが、林克明という凄いジャーナリストがいたことを本書で知った。2022年に復刊されたが、こんな一級のルポが長らく絶版になっていたという事に驚きである。この本を読んで「チェチェン人=イスラム過激派・テロリスト」などというロシアの荒唐無稽なプロパガンダが粉々に粉砕される一冊だ。高い道徳性と稀に見る精神文明を持ったチェチェン人が勇敢に自由を守る為に戦う、その姿は今のウクライナ人にも重なる。戦争犯罪者プーチンの原点を知るには、この一冊が何よりも最適だ。2023/09/22
Go Extreme
2
チェチェンとの出会い: 標的になるチェチェン人 潰された平和行進: 家を建てるのが男の甲斐性 サマーシキ村大虐殺の真相 三〇〇年にわたるロシア支配: 欧米人には理解できない精神文化 チェチェン全土に拡がる抵抗運動: 捉えられた僧侶たち サムライ魂と自己犠牲 山岳部のゲリラ村にて 緊迫のセルナボツク村潜入 ドゥダーエフ最後のメッセージ: ロシア主義には屈しない ロシアは共産ファシズムだ 停戦ー傷だらけの勝利 第二次チェチェン戦争、再会への旅 ウクライナ侵攻の原点はチェチェン戦争 原点としてのチェチェン2022/07/19
タカバル
0
ロシアが引き起こした凄惨な紛争である。国土戦とは、罪のない多くの人間が犠牲になることを意味する。ロシア兵による略奪は数しれない。ただ本書はチェチェン兵士と直に接した日本人によるもので一側面である事を注意したい。「チェチェンの首切り」等の話も有名で、彼らが完全な聖人であるとは断定できない。チェチェンの戦士に北方領土に関して言及されている場面が印象的だった。彼らの感覚からしたら1度負けたからと言って、取り返さない理由にはならないのだろう。2023/12/16