内容説明
古代中国において、「死」は終わりではなく「再生のはじまり」でもあった。肉体が滅びても、「魂(精神)」は「鬼」となり、「死後の世界」で生き続けると考えられた。しかし、肉体が滅びてしまえば、この世では暮らせない。それに対し、“不滅の肉体”を持ち、いつまでもこの世に永らえるのが「不老不死の仙人」である。本書では、肉体の保存に対するこだわりから説き起こし、仙人の誕生、“不滅の肉体”を求めて狂奔する皇帝と跋扈する方士、そして、修行メニューである「服薬」「辟穀」「導引」「行気」「房中」についても詳述し、古代中国の死生観を鮮やかに解き明かす。復刊にあたり、書き下ろしで「霊芝再考」を収録。
目次
第1章 死は再生のはじまり(肉体へのこだわり;孝を鬼神に致す ほか)
第2章 「仙」とは何か(仙人は不老不死か?;「僊」とは死ぬこと ほか)
第3章 狂奔する皇帝たち(皇帝が仙人をひろめた;四十年をかけた地下宮殿 ほか)
第4章 不老不死の仙薬(食物と気;罷免された本草待詔 ほか)
第5章 「気」の長寿法(吐故納新;流水は腐らず ほか)
著者等紹介
大形徹[オオガタトオル]
1954年、兵庫県生まれ。1977年、大阪大学文学部中国哲学卒業。1982年、同大学院博士課程を単位取得満期退学し、大阪府立大学総合科学部助手に就任。その後、1988年に同大学専任講師、1992年に助教授、2005年に人間社会学部教授となる。2020年に定年退任、名誉教授。現在は立命館大学衣笠総合研究機構特別招聘研究教授。専門は中国哲学だが、その研究領域は狭義の中国哲学には収まらない。その風貌から、「半仙」とも呼ばれる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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