内容説明
あれ(ヴァーチャル)か/これ(リアル)か。あれ(物理的に会う)も―これ(内的に心で会う)も。“心の台本”を読みながらあれやこれや考える。物理的な設えがうしなわれた心の臨床で内的な設えを確めるこころみ。
目次
序章 劇的観点から心を扱うこと―コロナ禍の「どさくさ」に紛れて
喪失のなかでの心の文脈(揺れる世界で臨床を続けていくこと;コロナ禍とユーモア;失うことと掛け替えのないこと;オンライン臨床におけるクロスモーダル体験;オンラインというleap、あるいはdistant psychoanalysisの未来;コロナ禍における日常生活と心理臨床の経験に関する私的考察―身体科医の治療態度から学ぶ)
こころで会うことの回復(コロナ禍の面接室でクライエントと出会うこと―マスク、カーテン、換気、消毒のなかから見えたこと、聞こえたこと;コロナ禍におけるグループの無意識―いくつかの視点;コロナ禍における「ほど良い治療設定」について考える―治療構造論の視点から)
終章 不在の部屋と身体―「映し返し」が起きるところ
問答 精神分析的に束ねる―三角関係化に向けて
著者等紹介
荻本快[オギモトカイ]
国際基督教大学大学院教育学研究科博士後期課程修了、博士(教育学)。相模女子大学学芸学部准教授、相模女子大学子育て支援センター相談室、国際基督教大学教育研究所研究員、米国ロサンゼルスNew Center for Psychoanalysis(IPA,APsaA)Member、米国精神分析学会(APsaA)Candidate Member
北山修[キタヤマオサム]
京都府立医科大学卒業、医学博士。ロンドンのモーズレイ病院およびロンドン大学精神医学研究所で卒後研修。帰国後、北山医院(現・南青山心理相談室)院長。九州大学大学院人間環境学研究院および医学研究院教授、国際基督教大学客員教授、白鴎大学副学長を経て、現在、北山精神分析室で個人開業。九州大学名誉教授、白鴎大学名誉教授。前日本精神分析協会会長、元日本精神分析学会会長。国際精神分析協会正会員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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