目次
第1部 新しい画面の映画論(「明るい画面」の映画の到来;Zoom映画と切り返しの問題;現代映画の「暗さ」と接続/断絶の問題;現代アニメ文化における高さ=超越性の喪失;「明るい画面」の映画史に向けて;20世紀の「画面」の映画史)
第2部 画面たちの星座(21世紀映画のインフラストラクチャー;変容する現代日本アニメ;スタジオジブリとその周辺)
著者等紹介
渡邉大輔[ワタナベダイスケ]
批評家・映画史研究者。1982年生まれ。現在、跡見学園女子大学文学部准教授。専攻は日本映画史・映像文化論・メディア論。映画史研究の傍ら、映画からアニメ、純文学、本格ミステリ、情報社会論まで幅広く論じる。著作多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ころこ
30
細かい議論にはついていけない訳ですが、約10年前の前著に比べて読者に開かれている書き方という印象が明らかにあります。映画を画面があるという共通性から他ジャンルに広げ、「明るい画面」と「暗い画面」の相克から現代社会の問題を考察し、その可能性からのフィードバックによって映画をまた再解釈するという試みなので、これで文章の内容と形式が一致したということになるでしょうか。宇野常寛の拡張現実では、拡張された現実に対して主体と対象それぞれの影響があることは無視されていますが、いま既に目の前にある拡張された現実は明るく、2021/12/16
アルパカメタル
1
後半はアニメがメインの評論。やっぱり『鬼滅』のヒットの理由はみんなわからないんだなぁ。『ヒプノシスマイク』観てみたくなった。映画以外のエンタメの引用がドツボで唸った。2021/11/01
Ethan
0
カメラの視点の所在が不透明になった今、カメラの置き場所には制約がない。鑑賞者とカメラの距離が近くなった今、映画の持つコンテクストは変わってきた。とりわけ主体性を表す映画、アニメーションの要素が20世紀と21世紀で異なることは知らなかった。主体が私なのか、私たちなのか。2024/10/14