造反有理―文革楼の殺人

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造反有理―文革楼の殺人

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  • サイズ A5判/ページ数 640p/高さ 21cm
  • 商品コード 9784909735225
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

函入り上製本です。

特設サイト:https://mystery.gyoshu.com/zouhanyuri



「世が世なら最大級の秘密としなければならない類のお話です――」老劇作家が語り始めたのは半世紀前、中国が文化大革命の嵐の中にあった時代の秘話だった。

 時の首相・周恩来の陣営は、文革を主導し独裁色を強めていた江青ら「四人組」に対抗すべく、彼らが徹底的に弾圧し破壊しようとしていた伝統文化の担い手や、江青に命を狙われる立場の人々を密かに救出し、中国南部の山奥にそびえる円楼「文閣楼」へ疎開させていた。劇作家、詩人、推理作家、俳優、作曲家、科学者、僧侶……様々な分野の才能が集められた文閣楼はさながら文化サロンのようで、住人たちは「嵐の外」のひと時の平和を過ごしていた。

 しかしそんな楼閣内で殺人事件が発生する。科学院生命科学部長が持ち込んだ「先祖累代研究の秘薬」によって、住人たちがひとり、またひとりと殺害されていく。遺体の元には必ず、犠牲者を中国古典の偉人の最期になぞらえた竹簡が遺されていた。

 自分たちの中に敵方のスパイが紛れ込んでおり、皆殺しを目論んでいるのでは? 外界から隔たれたクローズド・サークルの中で疑心暗鬼は拡大し……。

 演劇×本格ミステリの挑戦的な作品を書き続けてきた著者が、オペラ『トゥーランドット』の調べとともに描く、新たな〈館〉ミステリの傑作!





凄惨な処刑大陸か、理想に充ちた究極の花園か。文革時代に鳴り響く壮大なオペラ、21世紀のわれわれは、その調べをどう聴く?

――作家・島田荘司



この作品はしばらくの間、稲羽白菟の代表作となる。作者自身も、この壁を越えるのはなかなか難しいだろう。

――作家・貫井徳郎



尋常ならざる重量感だが、駆け抜けるように読了した。巧緻さと気品に充ちた、今だからこそ読まれてほしい大傑作。

――作家・竹本健治



ミステリに造反するミステリ。今だからこそ、読むべきところはいくつでもある。

――作家・京極夏彦


【目次】

東京



第一部 革命無罪 すべては革命のために

 円楼 一

 北京

 円楼 二

 北京

 円楼 三

 曲阜

 円楼 四



第二部 四旧打破 すべてを打ち倒せ

 北京

 円楼 五

 北京

 円楼 六

 上海

 円楼 七

 北京

 円楼 八



東京

大阪



第三部 懐疑一切 すべてを疑え

 円楼 九

 武漢

 円楼 十

 長沙

 円楼 十一

 円楼



第四部 造反有理 すべてを覆せ

 北京

 円楼 十二

 井岡山

 円楼 十三

 円楼 十四

 北京

 円楼 十五



大阪

東京



解説 千街晶之

参考資料

内容説明

文化大革命―言葉が凶器となり、暴走する狂気が理性をねじ伏せた時代。文革を逃れ、文化人たちが匿われた円楼で連続する見立て殺人。「造反」という革命のロジックを覆すのは推理のロジックか?それとも…

著者等紹介

稲羽白菟[イナバハクト]
1975年大阪市生まれ。早稲田大学第一文学部フランス文学専修卒業。2015年『きつねのよめいり』で第十三回北区内田康夫ミステリー文学賞特別賞。2016年『合邦の密室』にて第九回島田荘司選ばらのまち福山ミステリー文学新人賞準優秀作。同作にて2018年デビュー(原書房)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

rosetta

36
★★★★☆620ページもあるけど骨太でセンチメンタルで飽きることがなかった。人類史上最低の愚行の一つである文化大革命。人々が互いに不信の目を向け合い、反知性が蔓延った暗黒の時代。特に目の敵にされたのが伝統や芸術。毛沢東や江青らの権力亡者に唯一対抗できる周恩来の保護で、人里離れた円楼に匿われた詩人、役者、音楽家ら。外の嵐から守られた楽園のような暮らしであったが、文革派の工作員が紛れ込んだ事から連続殺人事件に。スノッブで高踏的な空気に浸っているうちにもったいなくも読み終わってしまう。2026/08/20

koma-inu

32
歴史×館ミステリの大作。いやコレはスゴイ!文化大革命を背景に、館に集められた14人。クリスティ某作を意識した、毒殺・密室事件が次々と起こる。コレだけでもたまらないが、「名探偵は誰か」「謎は何なのか」といった、メタ要素への問いかけもふんだんに出してくる。大ボリュームの解決編では、物理トリックや◯◯トリックも明かされ、派手さを増してきます。特に、テーマに沿った犯人の動機は、ホワイダニットとして強烈!そしてエピローグのトドメのどんでん返しもヤラレタ。600頁越えの鈍器本ですが、読み切る価値十分の傑作です。2026/09/13

geshi

18
実在した円楼がミステリに出てくる建物そのものだから、そこを舞台にミステリを書きたくなる気持ちは分かる。舞台設定もキャラクターも「いかにも」なミステリと文化大革命の動乱が交互に描かれ、たった一人の思い付きから国家を恐怖と混乱に貶めるまでの愚かさがまざまざと見せつけられる。キャンセルカルチャーの生きつく先がここにあるようで、時代は変わっても人は変わらないなぁ。ミステリとしてはHOWやWHOは弱く館の構造も必然性が薄いが、文化大革命の状況だからこそのWHYがやるせなく心を打つ。2026/09/30

ア・トイロッテ(マリポーサとも言う)(各短編の評価はコメントで)

13
★★★★8 なかなかの力作だった。文革時代を扱った作品はなかなか見かけることなく、既読作品ですぐ思い浮かぶのは『三体』ぐらいしかない。ミステリ小説で本格的に扱われたものを読んだのは、この作品が初となる。税込で三千円超えだが、豪華すぎる装丁には見合わない破格の値段であった。作中は登場人物が何十人も現れているが、登場人物一覧の栞が添付されている。文革を逃れて集った文革楼で殺人が起こり、その真相は意外性というよりも納得性がとても高い。その時代ならではのホワイは長い描写の果てに自分も呑み込むしかなくなってきた。2026/07/19

はまちゃん

7
文化大革命真っ只中の中国。造反派から逃れ、山奥の円楼・文閣楼に匿われた文化人たちの間で見立て連続殺人が起き、劇作家の李蔡文が真相を追う大長編ミステリ。犯人は誰か、造反派のスパイは誰か、なぜ見立て殺人が行われるのか。600ページ超の大作だが、謎が多く、飽きずに読み進めた。一番の謎はホワイダニット。犯人の思いは、あの狂気の時代だからこそ理解できるものだった。10年ほど前に福建省の円楼を観光したことがあり、情景を思い浮かべやすかったのもよかった。 2026/09/19

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