内容説明
一枚の写真に導かれたアラスカとの出会いから急逝まで24年、極北の自然に魅せられた写真家の旅を一冊に。
目次
プロローグ 一九七三年、シシュマレフへ―アラスカとの出会い
第1章 生命の不思議―極北の動物たちとの出会い
第2章 アラスカに生きる―人々との出会い
第3章 季節の色―自然との出会い
第4章 森の声を聴く―神話との出会い
第5章 新しい旅―自然と人との関わりを求めて
エッセイ
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
夜長月🌙@読書会10周年
80
星野道夫さんの集大成たる作品。星野さんの写真とこれまでのエッセイから抜粋された文章。さらに母親、奥さん、息子が文を寄せています。星野さんはアラスカに残された本当の大自然や生き物と同化し、記録に残すという偉業をなし得ました。しかし、彼は自分とあなたはある一点で同じだと言います。それは一度しかない人生を生きている事です。世界はそういう無数の点で成り立っているのです。2022/08/31
とよぽん
60
写真も文章も全てがすばらしく、言葉にできないほど。星野道夫さんを丸ごとこの1冊に収めた感がある。息子さんもお父さんと同じようにアラスカの大地と生き物に魅せられて・・・。改めて星野道夫さんの偉大さを感じた。何度も読みたい。2020/12/27
森の三時
56
アラスカ。マイナス50度の過酷な冬。待ちわびた春・夏・秋も短く駆け抜けるように去り、また雪と氷に覆われる。それでも星野さんは冬が好きだと言う。圧倒的な自然は動物の命にも人の命にも公平に厳しく、ここでは人も動物も対等に生きている。悠久の時が作り出した景色は、見渡す限り人の造形物がなく人間の解釈から自由な大地。そんな中で、星野さんの写真とエッセイは、現代に暮らす私たちの心をゆさぶり忘れた何かに気づかせてくれる。今回も見逃してしまったがいつか写真展に行き星野さんの足跡に触れたい。最後の家族からの言葉も良かった。2022/06/05
明るい表通りで🎶
46
43歳、1996年8月8日、ヒグマの事故で亡くなった、星野道夫。彼の伝記ともとれる写真集。大学1年の時、東京・神田の古本屋で見つけた一冊の洋書『アラスカ』が、彼の一生を決める。この本に掲載された小さなエスキモーの村の空撮写真に見せられ、その村シシュマレフの村長宛てに手紙💌を出す。半年後に届いた返事。この奇跡のような手紙💌二通が、冒頭を飾る。星野道夫の自然を抉るような鋭い写真とやさしい文章は、心を和やかにしてくれる。2025/04/25
りんご
43
「やさしい猫」と同時にこの本もペラペラ見てたんだ。ほったら、この写真の世界にも生き物がいて、そこに対する私の思いやりってゼロだよなあ、と凹んでしまった。自然が壊れていくことよりも、私が快適に暮らせる場所があるかどうか、が1番重要だもの。袋角がベラベラ剥がれかけてる写真は結構ショッキング。シルバニアファミリーの表皮みたいな角だなあと思ってたら、マジで表皮なのね。出血!あと冬毛になりかけの雷鳥の足が羽毛でぼうぼうなのも趣深い。キメラっぽい。2025/02/22
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- 分子精神医学 〈5-3〉