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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
HANA
68
『オトラント城』や『マンク』といった古のゴシック小説から始まり、映画、音楽、吸血鬼といった現代のゴシック文化までを論じた一冊。入門と銘打ってはいるものの内実は評論なので、興味がある分野はいいものの衣装や音楽等は自分のような門外漢には手に余る部分も多し。あと音楽、ゴシックと言いながらも、現代北欧のゴシックメタルに触れていないのはファンとしていただけないかも。逆に小説や映画は面白く読める。特に絵画「アメリカン・ゴシック」を論じた一章などは。あと気になったのが文体、露悪的すぎてどうも自分には合わなかった。2020/04/10
コットン
62
第一~第二章だけでも第一章がロマン主義からピクチャレスク→ゴシックロマンスが元祖シュルレアリスム。第二章がパルプマガジン→フィルムノワール映画『らせん階段』→『フリッカー、あるいは映画の魔』からの考察→LAゴシックの現在形としての映画『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』など多岐にわたる話題性が読ませる。他に聴くゴシック、装うゴシックなども…。2020/05/29
内島菫
16
物事の暗黒面を抉る行為は逆説的に(個人的には順接的に)わくわくするのだけれど、本書ももちろん読んでいて楽しかったが(通勤電車で読んでいたらあまりに面白くて乗り過ごしてしまったので注意が必要)、それ以上に著者自身が楽しんでいるのが感じられ、著者以上に面白がりたい私としてはまだまだ自分は未熟だなと感じた。小説、映画、音楽、吸血鬼、アメリカの田吾作、ゴシック・リバイバル、ファッション、建築と、本来交わらないと思われているものを横断的というか飛躍的に接続しているが、その跳躍力こそがつぎはぎの持つ想像力であり2021/07/08
∃.狂茶党
15
作者は『血と薔薇』な人である。 ゴシックと名付けられたものは幅広く、 厨二病って言葉とも、意味合いにおいて非常に大きく重なる。 田舎者であることを作者は強く意識してるようだが、そもそもゴシックは田舎者の美意識である。(といったら言い過ぎ) 田吾作という、現役とも思われない古い言葉を用いることは、彼の当事者意識の捩れなのだろう。 澁澤のデヴューと同じ年齢だといってるが、澁澤の傲慢な冷淡さとは違う、毒血のひとである。 田舎は保守的だ、その保守性と、保守性に対する対抗が共にゴシックだろう。2023/04/18
Akito Yoshiue
14
機関精神史の猛烈なファンであるため、著者の単著を非常に楽しみにしていた。一冊に収めるにはもったいない幅広いジャンルへの目配りと刺激的な論考で、素晴らしい一冊だった。今後の著作も楽しみな書き手である。2019/11/27
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