内容説明
敗戦を背負った宰相がマッカーサーとの二千日を赤裸々に語り尽くした占領史の最高峰!
目次
第1章 日本外交の歩んできた道
第2章 戦前戦中の和平工作
第3章 占領政治というもの
第4章 総司令部の人々
第5章 私の政治生活
第6章 私の政治経験から
第7章 新憲法のできるまで
第8章 わが国の進むべき道
著者等紹介
吉田茂[ヨシダシゲル]
明治11年、実業家竹内綱の五男として東京で生まれ、間もなく竹内の友人吉田健三の養子となる。明治37年、学習院大学科から東京帝国大学法科に移り明治39年に卒業、外務省に入り、各地の総領事や大使、外務次官などの要職を歴任した。昭和14年に至り外交の第一線から退いたが、太平洋戦争中に和平工作に従事したため、昭和20年には憲兵隊に逮捕される。戦後は政界に進出、東久迩内閣の外相などを経て昭和21年、内閣総理大臣に就任、それから十年弱の間に四回、総理に任命される。その間もっぱら戦後復興と占領統治からの脱却に腐心、邁進し、日本国憲法を制定、日米安保条約を締結するなど、今日の日本の礎を築いた。昭和四十二年、大磯の私邸で死去、享年八十九。国葬をもって送られた(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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とさり
3
いつの頃からか昭和史を深く知りたい衝動にかられ、半藤一利、保阪正康を始めとする昭和史研究者の著作を片っ端から読んできた。いずれの書も緻密な取材と自らの経験に裏付けられた良書であったが、あくまで伝聞情報である。その点において、吉田茂自身が昭和天皇やマッカーサーらとのやりとりを通して、歴史上の事実の背景を一人称で語る本書の説得力は、他を圧倒する。敗戦直後の混乱期に、総理大臣として日本を率いた吉田茂の胆力と慧眼に改めて深い感銘を受ける一冊である。2022/10/07
晩助バンスケ
0
終戦記念日を迎えて、学校で教えてもらえなかった昭和史を紐解こうと、終戦協定、新憲法時代の吉田茂の書をとった。ちょうどマッカーサー元帥の特別番組も放送され、終戦時のGHQの役目など、アメリカ側の見方もわかり良い機会に読んだと思った。感想の一番は、勉強になった、読んでよかった。最近も話題になった憲法改正、皇室典範、安保と自衛隊増強の関係など、吉田茂の考えは今の社会、政治に繋がっていることがよくわかった。おすすめの一冊にしたい。 2023/08/27