出版社内容情報
基本的人権──ヒューマンライツは,すべての人間の尊厳を保つという当たり前の権利です。当然,精神医療や,心のケア,心のサポートの基本にあるのも人間の尊厳のはず。
しかし,リアルな精神医療や心のケア,心のサポートの現場では、それと相反する事柄がたくさん見られることに気がついてしまいます。
この本は,そんな人間の尊厳と臨床の現場を歩んできた5人の対談集です。
森川さんは,オープンダイアローグを中心に据えた精神科クリニックを運営している一人。本田さんは,看護や介護分野で新しいスキルとして広がっているユマニチュードの立役者の内科医。松嶋さんは,どうしてイタリアでは精神科病院がゼロになったのかを研究している人類学者。信田さんは,医療では治療できない方々への心のケアを長年続けているセラピスト。そしてホストは,長年にわたり,精神疾患をもつ人々のケアや社会復帰をサポートしてきた精神科医です。
【目次】
内容説明
基本的人権―ヒューマンライツは、すべての人間の尊厳を保つという当たり前の権利です。当然、精神医療や、心のケア、心のサポートの基本にあるのも人間の尊厳のはず。しかし、リアルな精神医療や心のケア、心のサポートの現場では、それと相反する事柄がたくさん見られることに気がついてしまいます。この本は、そんな人間の尊厳と臨床の現場を歩んできた5人による対談集です。精神医療・心のケアはどこに向かえばいいのか?もう一度考えてみませんか?
目次
1 オープンダイアローグ、そこから見える新しいケアの形 森川すいめい×伊藤順一郎(二人の出会い;オープンダイアローグによる変化 ほか)
2 ユマニチュード―ケアというパフォーマンス 本田美和子×伊藤順一郎(ユマニチュードとは;四つの柱 ほか)
3 脱施設化からテリトーリオへ―イタリアの精神医療改革を文化人類学から考える 松嶋健×伊藤順一郎(人類学的なものの見方;日本の地域精神医療 ほか)
4 家族のかたち―より緩やかな紐帯の模索 信田さよ子×伊藤順一郎(家族療法と出会って;精神科病院を離れて出会った家族たち ほか)
終章 人間の尊厳をめぐる個人史 伊藤順一郎(「人間の尊厳」に至る個人的な歴史;家族療法との出会いと実践 ほか)
著者等紹介
伊藤順一郎[イトウジュンイチロウ]
メンタルヘルス診療所しっぽふぁーれ、院長。千葉大学医学部卒業後、精神科医に。長らく国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所に勤務し、精神疾患患者の社会復帰、家族支援、包括型地域生活支援などに携わり、多くの研究・実践を行う。その後、メンタルヘルス診療所しっぽふぁーれを設立。オープンダイアローグをはじめとするさまざまな支援の立役者の一人
森川すいめい[モリカワスイメイ]
精神科医、鍼灸師、TENOHASI理事、オープンダイアローグトレーナー。「開かれた対話」の場づくりや自殺希少地域の探求、ホームレス状態にある方たちの「ハウジングファースト」という人権活動にコミットをしている
本田美和子[ホンダミワコ]
東京医療センター、医師。内科医として高齢者のケアを模索する中、ユマニチュードに出会う。国内にユマニチュードを広め、高齢者だけではなく、さまざまな臨床分野での応用を模索している
松嶋健[マツシマタケシ]
広島大学大学院人間社会科学研究科教授、文化人類学者。人間が生きていく基盤としての地域社会生命圏について研究。特に精神病院を廃絶したイタリアに関して、地域精神保健の背景にある精神医療の歴史や思想、地域での生のエコロジーなどについて数多くの論考を発表している
信田さよ子[ノブタサヨコ]
原宿カウンセリングセンター、公認心理師・臨床心理士。家庭内での暴力にいち早く警鐘をならし、被害者支援はもとより加害者プログラムにも携わる。日本公認心理師協会会長にも就任(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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