内容説明
量子論の理論展開には数々の混乱がもたらされてきた。この混乱を解決すべく、本書では、無限自由度量子系の数学理論の現代的発展を踏まえて「量子古典対応」が含む重要な物理的本質を合理的に拡張し、これを「ミクロ・マクロ双対性」という数学的方法論の形で理論の核心に据えることによって、帰納と演繹の双方向的な運用を実現する新しい動的自然観を提示する。
目次
第1章 量子論とは?
第2章 量子古典対応/ミクロ・マクロ双対性/4項図式
第3章 ミクロ・マクロ双対性・4項図式の適用
第4章 ミクロ・マクロ双対性とセクター構造
第5章 量子場理論:量子場の散乱過程と「ミクロ・マクロ双対性」
第6章 新たな展開に向けて
著者等紹介
小嶋泉[オジマイズミ]
京都大学数理解析研究所准教授。理学博士(1980年京都大学)。仁科記念賞(1980年)受賞。Gauss Professor(ゲッティンゲン科学アカデミー、1998年)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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shin_ash
6
圏論で量子論のミクロとマクロを上手く繋いで説明しているとのことで興味を持った。量子論は門外漢なのでヒルベルト空間論と量子確率論を予習して臨んだが甘かった。ほとんど理解できなかったと言っていい。しかし読み取れた部分もあり、それが大変有用であると思えた。対象を測定するが、それは対象と計測系の合成系を読み取れる大きさに増幅した結果がデータであるとのこと。量子論の様なミクロでの挙動に対するマクロでの読み取りに関する話だが、計測という行為一般に言えることの様に思える。データがもてはやされる今日だが、そのデータは一体2025/02/16