出版社内容情報
小山哲[コヤマサトシ]
著・文・その他
藤原辰史[フジハラタツシ]
著・文・その他
内容説明
「小国を見過ごすことのない」歴史の学び方を、今こそ!二人の歴史学者が意を決しておこなった講義・対談を完全再現。
目次
1 ウクライナの人びとに連帯する声明
2 ウクライナ侵攻について(ウクライナ危機を前にして;ロシアの軍事行動は国際法違反 ほか)
3 講義 歴史学者と学ぶウクライナのこと(地域としてのウクライナの歴史;小国を見過ごすことのない歴史の学び方)
4 対談 歴史学者と学ぶウクライナのこと(ミサイルが降ってくる側におかれた人の目線で;これは侵略である ほか)
5 中学生から知りたいウクライナのこと(今こそ構造的暴力を考える;ウクライナの歴史をもっと知るための読書案内)
著者等紹介
小山哲[コヤマサトシ]
1961年生まれ。京都大学大学院文学研究科教授。専門は西洋史、特にポーランド史
藤原辰史[フジハラタツシ]
1976年生まれ。京都大学人文科学研究所准教授。専門は現代史、特に食と農の歴史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
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chiaki
48
知らなきゃ!と手に取りましたが、私には複雑すぎて難しかった~!ウクライナは長い歴史のなかで、キリスト教、イスラーム、ユダヤの異宗教が混在している地であり、オーストリアやポーランド、ロシア、ドイツなどによって抑圧されてきた。ヨーロッパの大国とロシアの狭間に位置する為に、両国の通過点であり、しかも豊かな穀倉地帯!他国からの影響を受けざるを得なかった苦悩と翻弄を感じた。いろんな動物が分け隔てなく1つのてぶくろに住まうウクライナの昔話『てぶくろ』は、まさにウクライナの国そのものを表しているなぁと痛感。2023/02/09
Nobuko Hashimoto
40
2022年3月中旬までに書かれた記事やオンラインイベントでの対談を加筆修正し、6月に出版された本。複雑なウクライナの歴史を説明した3章は地図や図版も多く、大変わかりやすい。大国中心の見方やゲームを解説するかのような戦況コメントへの警戒、歴史から学ぶ姿勢、人々の暮らしに目を向けることなど、著者2人の姿勢は明確。簡単に未来予測しないところも誠実。2023/01/11
さきん
37
民族は想像の共同体とかいったものだが、ウクライナは旧ユーゴスラビアほどにないにしても、タタール、コサック、ロシア、ギリシャ、ユダヤ等多民族が入りまじりあい、宗教も西部カトリック、東部正教、少数派のユダヤ、ムスリムと多様。肥沃な農地も広がり、ドイツ、ロシア、ポーランドと大国の係争の地にもなってきた。お互いにつかれるまで喧嘩しあってその実力できまる新たな国境で妥協するしか終わる道がない気がする。2022/09/29
崩紫サロメ
34
ポーランド史を専攻する恩師(小山哲)とナチズム研究の藤原辰史氏の対談や講義など様々な形でウクライナを語る。小山先生には授業で近世ポーランドという、現在の国の枠組みとは違う視点で物事を見ることを学んだが、本書はコンパクトながら、同じように「いろいろな時間の尺度で考える」ことができる。また、「中学生から」と冠していることについて藤原氏が「カジュアルダウンしてわかりやすく伝える」のではなく「むしろ、私たち大人の認識を鍛え直す」という意味を込めているという。とても充実した内容で、再読したい。2022/09/05
ぐっち
30
ミシマ社フェアにて。今だによくわからないので手に取ってみたが、やっぱり複雑でわからなかった。肥沃な平地、いろんな国いろんな宗教いろんな民族…。引き続き、知りたい気持ちは持っておきたい。2023/03/12