内容説明
“批評”は停滞と閉塞を打ち破る。アイヌ民族・沖縄・原発などをめぐってSNSで欺瞞がはびこり、「極右」「オタク(萌え)」「スピリチュアル」な言説がもてはやされるなかで、気鋭の文芸批評家が放った渾身の“一矢”。
目次
1 ネオリベラリズムに抗する批評精神(真空の開拓者―大江健三郎の「後期の仕事」;「核時代の想像力」と子どもの「民話」―『はだしのゲン』への助太刀レポート ほか)
2 ネオリベラリズムを超克する思弁的文学(青木淳悟―ネオリベ時代の新しい小説;「饒舌なスフィンクス」からの挑戦状―青木淳悟『匿名芸術家』 ほか)
3 北方文学の探求、アイヌ民族否定論との戦い(小熊秀雄を読む老作家・向井豊昭を読む;夷を微かに希うこと―向井豊昭と木村友祐 ほか)
4 沖縄、そして世界の再地図化へ(沖縄の英文学者・米須興文の「二つの異なった視点」―主に『ベン・ブルベンの丘をめざして』収録文から考える;移動と語りの重ね書きによる世界の再地図化―宮内勝典『永遠の道は曲りくねる』)
著者等紹介
岡和田晃[オカワダアキラ]
1981年、北海道上富良野町生まれ。早稲田大学第一文学部卒。筑波大学大学院人文社会科学研究科で修士号を取得。文芸評論家、ゲームデザイナー、東海大学文芸創作学科非常勤講師。「「世界内戦」とわずかな希望―伊藤計劃『虐殺器官』へ向き合うために」で第五回日本SF評論賞優秀賞受賞(2010年度)。2014年、『北の想像力―“北海道文学”と“北海道SF”をめぐる思索の旅』(編集、寿郎社)で第三五回日本SF大賞最終候補。2016年、『破滅(カタストロフィー)の先に立つ―ポストコロニアル現代/北方文学論』で第五〇回北海道新聞文学賞創作・評論部門佳作。2015年の『アイヌ民族否定論に抗する』(共編著、河出書房新社)は広く話題となり、関連して、反ヘイトの評論・公演活動を行なう(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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