出版社内容情報
闘う相手はどこに?リングサイドは安全か?孤独なレスラーの戦いは、いつしか「世界」へと肥大していく。読売文学賞受賞作「ロープ」他、最新戯曲集。
内容説明
畳み掛ける言葉、変幻自在の時空、広がり繋がる世界、突き刺さる主題。野田演劇の神髄、ここにあり!第58回読売文学賞、戯曲・シナリオ部門を受賞した「ロープ」他、「オイル」「THE BEE」の三本を収録した、最新戯曲集。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
こうすけ
13
フェイクスピアがめちゃくちゃ良かったので挑戦。オイル、ロープ、ともに素晴らしい。911以降の作品だと思うとより考えさせられる。2021/07/14
訃報
7
面白!さすが日本演劇界トップは違いますわ。世の中への怒りをあくまで知的にユーモアをもって書き切る意気や良し!文字だけで鳥肌立ったし舞台で観たら泣きそう。観たい。前衛的な作風だけどちゃんと伝わるよう工夫して作られているのがわかるし、復讐、暴力、距離感といったテーマへの切り込み方も鋭い。2019/05/23
ハルマル
4
今まで観た野田作品は愉快で神秘的な印象だったが、この3作は衝撃的、破壊的。人間は悲しい歴史を残してきた。愛でることのできる21世紀を紡いでいこう。2019/05/06
ぶっとん
2
冒頭の「オイル」は少なく見積もっても今年始まってから読んだもののなかで最大の衝撃。言葉遊びが一段階次元を超えるとここまでいくかと震えた。「8月に原爆を…」のくだりは何度読んでも背筋がぞっとする。2013/02/10
168
2
鋭く刺すような言葉の数々に鳥肌が立つ。切りつけたれたように心が痛い。そんな決して楽しくはない、けど後から色々と考えさせられる3編。生で見たらどんな思いだったろうか、と怖くなる。これまで読むだけで見たのことのない野田作品、次こそは見てみたい。2011/04/17