内容説明
洛中洛外図屏風、媾曳図、“保元・平治合戦図屏風”を総覧し、北斎芸術の本質、新しい俯瞰形式を模索した江戸後期の浮世絵師、〓（けい ）斎・北斎・貞秀を論じる。
目次
第１章 洛中洛外図
第２章 初期風俗画と媾曳図
第３章 “保元・平治合戦図屏風”について
第４章 北斎
第５章 北斎晩年の「ふしぎな世界」
第６章 空飛ぶ絵師の眼―〓（けい）斎・北斎・貞秀
著者等紹介
辻惟雄［ツジノブオ］
１９３２年生。東京大学大学院博士課程退学（美術史）。東京国立文化財研究所美術部技官、東北大学文学部教授、東京大学文学部教授、国立国際日本文化センター教授、千葉市美術館館長、『国華』主幹、多摩美術大学学長を経て、ＭＩＨＯ ＭＵＳＥＵＭ館長。東京大学・多摩美術大学名誉教授（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）
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感想・レビュー
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さっちも
16
北斎の項が良かった。80歳になっても猫ひとつ満足に描けないと嘆き、90歳に達した死に際し、あと10年、いやああと5年の命を与えてくれたら、もっと良い画家になれるのにとつぶやく北斎のバイタリティとあくなき探究心。昨日MIHOミュージアムに行って若冲を観てきた。確固たるリアリティがありつつ装飾的でディフォルメされた幻想の不思議世界に陶酔した。別に知ってなにになる、分かりはしない美術の世界だけれど、絵師の執拗で一種病的な何かに触れると癒される気がする。2020/10/05
