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資本主義リアリズム

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  • サイズ 46判/ページ数 212p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784909237354
  • NDC分類 332.06
  • Cコード C0098

出版社内容情報

「はっきり言わせてもらおう。たまらなく読みやすいこのフィッシャーの著書ほど、われわれの苦境を的確に捉えた分析はない」スラヴォイ・ジジェク

マーク・フィッシャー[]
著・文・その他

セバスチャン・ブロイ[]
翻訳

河南瑠莉[]
著・文・その他

内容説明

資本主義の終わりより、世界の終わりを想像するほうがたやすい。ポップカルチャーと社会に鋭い光をあて、ヨーロッパで熱狂的な注目を浴びたイギリスの批評家、マーク・フィッシャーの主著、待望の邦訳刊行。2017年1月に急逝した彼の、「ぼくらの」、言葉とため息、叫びを、未来へ届けるために。

目次

第1章 資本主義の終わりより、世界の終わりを想像する方がたやすい
第2章 もし君の抗議活動にみなが賛同したとしたら?
第3章 資本主義とリアル
第4章 再帰的無能感、現状維持、そしてリベラル共産主義
第5章 一九七九年一〇月六日―「何事にも執着するな」
第6章 形あるものみな広報へと消えゆく―市場型スターリニズムとお役所型反生産
第7章 「…二つの現実が折り重なって見えるとき」夢作業および記憶障害としての資本主義リアリズム
第8章 「中央電話局というものはない」
第9章 マルクス主義のスーパーナニー

著者等紹介

フィッシャー,マーク[フィッシャー,マーク] [Fisher,Mark]
1968年生まれ。イギリスの批評家。ウォーリック大学で博士号を取得した後、英国継続教育カレッジ、およびゴールドスミス・カレッジ視覚文化学科で客員研究員・講師を務める。2017年1月逝去

ブロイ,セバスチャン[ブロイ,セバスチャン] [Breu,Sebastian]
1986年、南ドイツ・バイエルン生まれ。ウィーン大学・大阪大学・ベルリン自由大学で日本語と比較文学を専攻。池澤夏樹と安部公房の翻訳で第一JLPP翻訳コンクール最優秀賞。現在、東京大学大学院博士後期課程。研究領域はエピステモロジー、メディア技術論

河南瑠莉[カワナミルリ]
1990年、東京生まれ。早稲田大学、ベルリン自由大学で政治経済学・文化政策を学んだ後、ベルリン・フンボルト大学の文化科学研究科修士課程に在籍。ベルリン森鴎外記念館の研究助手として制作・リサーチ・翻訳を担当し、常設展示の新設に携わる。近代思想史、美術館学・博物館学を専攻(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

harass

79
「資本主義の終わりより、世界の終わりを想像する方がたやすい」 もう資本主義から逃れると考えることさえありえないとする、この閉塞感を様々な事例で明快に解説。ジジェクや映画などを援用し、資本主義への苦々しく誠実な批判に感心。欧米圏では有名なブロガー兼教育者のようだ。名前に見覚えがあり調べると、資本主義バンザイの自己啓発本の邦訳があり、困惑するが、同姓同名の別人だった。なかなかの良書。2018/08/13

Aster

65
資本主義はあらゆることの原因であるというよりも、あらゆることの原因でありうる原動力を我々が日々供給しているのだと思う。資本主義のオルタナティブは想像不可能であることを認め、資本主義のズレとして問題提起を行っても─多少アナロジカルではあるが─脱中心化されたシステム(の最下層)からの手続きの繰り返し、つまり永遠のモラトリアムに過ぎなくなる、つまるところそれは資本主義構造的アポリアになる。まず大衆は責任の追及以前に包括的な構造に疑問を持つことから始めないといけない。再読必須。刺激的過ぎて2時間で読了。2020/11/02

特盛

35
評価3.7/5。資本主義リアリズムとは、資本主義に違和感を感じていても、代替手段が想像もできないで従属するしかないという閉塞感。文化的には、焼き直しやコピーが増え、新しいものが生まれにくくなっている。映画など、フランチャイズや実写化が横行し、トムクルーズが未だに老骨に鞭打つ。いつのまにか、洋画は壊滅的だ。だるい快楽に時間を埋め続け、途切れた時に落ち込む若者。何をやっても無駄、という再帰的無能感。中心、行為主体がぼやけているから、資本主義批判はカフカの城的になる。責任者へたどり着けないコールセンターみたいに2024/07/28

R

33
現代思想、社会批評、世界への怒りと憤りをつづった本でした。資本主義という体制にあぐらをかいて、新しい世界を探そうという気すらないという世の中に異議を唱え、イギリスの現状を引き合いに出しながら、いかに資本主義というものが人間を苦しめ、抑圧しているかということを書きなぐっている。うつ病は、もはや政治的なマターであるとまで言いつのり、ばかげた世界を、さも当然だとしている資本主義というものに対しての懐疑が実に鋭い。この怒りのまま、自殺に追い込まれた著者を思うと、心に鋭い痛みが走る。2019/04/29

zirou1984

28
率直に言って、読んでいてめちゃくちゃに救われた。もはや「世界の終わりより、資本主義の終わりを想像することが困難になった」現代社会の困難さ、息苦しさをこんなにも言語化してくれたことに感謝しかない。コロナ禍によって進んでいくテレワークは労働者への自己管理を強制させ、増加する精神障害は機能不全となった資本主義をするための社会帝コストであると同時に、治療へのプロセスがマッチポンプとして絡め取られていく。内面化された冷笑主義=資本主義のイデオロギー形態から距離を置くために、諦めの常態化に抗うために。2021/08/11

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