内容説明
安倍晋三、石破茂、菅義偉、野田聖子、河野太郎、岸田文雄、加藤勝信、小渕優子、小泉進次郎、9人の首相候補政治家の言葉、著作を徹底分析。これからの政治を、価値とリスクのマトリクスで読み解く。
目次
1 安倍晋三 アンチ・リベラルと親米
2 石破茂 自立と持続可能性
3 菅義偉 忖度政治と大衆迎合
4 野田聖子 多様性と包摂
5 河野太郎 徹底した新自由主義者
6 岸田文雄 敵をつくらない「安定」感
7 加藤勝信 リスクの社会化を実現するために
8 小渕優子 財政再建とセーフティネット
9 小泉進次郎 「自助」の限界
著者等紹介
中島岳志[ナカジマタケシ]
1975年大阪生まれ。大阪外国語大学卒業。京都大学大学院博士課程修了。北海道大学大学院准教授を経て、東京工業大学リベラルアーツ研究教育院教授。専攻は南アジア地域研究、近代日本政治思想。2005年、『中村屋のボース』で大佛次郎論壇賞、アジア・太平洋賞大賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Y
25
今まで政治家をどんな人物かとらえるときに右か左かその二つの価値基準しか持たなかったけれど、本書では、リスクと価値の縦軸と横軸を用いて自民党の政治家の立ち位置を明らかにしている。これまで私は政治家に対してぼんやりとしたイメージでしか捉えていなかったと思った。同じように見える政治家でも福祉に対する考え方が違っていたり、また本来は違う考え方を持つが有力な位置を確保するために違う考え方に迎合しなきゃならなかったり政治って面白いと思った。やっぱり敵を作らないためにはっきりしたことを言わない人は魅力がないと思った。2020/10/15
しゅん
20
面白い。自民党に違和感を覚える人はまずとったらよい本(ここから広がりがある)。9人の政治家の考えを本人の著作から読み解く。四象限のマトリクスの中に、かつての保守本流である「福祉国家かつパターナリズム」な政治家がいないところに、現在の政治のバランスの悪さを感じる。2020/04/17
macho
18
あまり政治のことについて学ぶことはなかったが、与党の候補者をザックリ学ぶには良い本。作者の考え方も多少は反映されるのだろうが、それは読者もそうだし。今後の子供らのことを考えると色々読まねばならないな。2020/09/06
パンダ女
17
あっちゃんのYouTubeで紹介されていたので。自民党の有力政治家の著書から彼等の思想をあぶり出した本書。とても分かりやすくて面白かった!ガーゼのマスクをする安倍さんはすごく頼りないが、「愛国心」が強くやっぱりかなりの右だなと。菅さんは叩き上げで世襲じゃ無い分応援したくなるけど、思想は邪悪すぎだ!彼のポピュリズムには私も騙された!一方で岸田文雄や加藤勝信のようなフワフワしてどっちつかずの信念の人も有力視されているのは、かなりの太鼓持ちか立ち回りが上手いだけ?血液型まで知れるのは本書だけでは??2020/05/04
ま
16
面白くて一気に読んだ。政治家って大衆の意見を集約していく仕事のはずだけど案外自身固有の体験からくるある意味ミクロ的な信念が行動原理になってるんだな。日本で男女平等が進んでいないと言われる意味を実感した。野田さん小渕さん応援したいと思った。その他:菅さんの権力掌握やべえ。岸田さんの日和見にはがっかり。続編出ないかな。2021/02/01