出版社内容情報
金子國義がこの世に遺したスタイリッシュな言葉の数々を、
名作、未発表作など約45作品とともにお届けします。
2015年3月、画家・金子國義が逝去しました。この稀有な画家が残した名作の数々は、これからも時代を超えて愛され続けていくことでしょう。歌舞伎の舞台美術家のもとで修行し、日本の伝統芸能やその美意識を徹底的に学びながら、同時にヨーロッパの文化にも精通していた金子國義の作風は、唯一無二の魅力に溢れており、今後ますますグローバルな注目を集めるに違いありません。
金子作品の最大の魅力は、画家の存在そのものが作品世界に強く投影されていることです。「人生を謳歌しよう」「美しく生きよう」という姿勢に貫かれた哲学、いわば金子スクールの教えは、そのお弟子さんや私淑していたアーティストのなかで確実に引き継がれているのです。
本書では、金子國義がそうした人々に向けて実際に発した言葉やメッセージを、スタジオ・カネコ協力のもと、関係者への取材を通して集め、代表作とともに掲載します。その内容は、芸術に限ったものではありません。かつて日本の家庭でごく自然に教えられ、私たちが身につけていった「所作」「おもてなしの心」、そして「美しく生きるためのヒント」などが、金子國義ならではのセンスやユーモアに彩られた言葉として現れます。
みなさんに、この本を日々の生活のなかに取り込んでいただくように、バッグに入れて持ち歩けるハンディなサイズに仕上げました。このハンドブックを日々眺めながら、金子美学の詰まった言葉や絵の数々が、「あなただけの美しいスタイル」をつくるうえで、お役にたつことを祈っております。
金子 修[カネコ オサム]
Studio Kaneko代表
1994年、偶然に知り合った金子國義の勧めにより上京、助手となる。2002年、養子縁組を果たし「金子修」に。マネジメント業の傍ら数々の展覧会を運営し、また装丁や浴衣に代表される〈金子デザイン〉の一端を担うなど、最も近しい存在として公私にわたり画家を支え続ける。2015年、金子國義逝去の後は、Studio Kaneko代表として作品管理のほか、展覧会、イベント、出版などを運営している。
岡部 光[オカベ ヒカル]
クリエイティブ・ディレクター、コピーライター
獨協大学外国語学部英語学科卒業。在学中よりアートイベントの仕事に携わる。卒業後は広告代理店、海外アーティスト招聘会社などに勤務。1990年、渡伊。帰国後は、バイリンガル・メディアを中心に、クリエイティブ・ディレクター、コピーライター、執筆家として活躍する一方、プログレッシブなブラジル音楽ユニットBossa Connectionなど、新進気鋭のアーティストのプロデュースを手がける。