内容説明
慶応4年(1868)3月。倒幕を成功させた西郷吉之助は「佐幕」の旗を降ろさぬ奥羽越列藩同盟平定のため、北陸道に官軍を派遣した。しかも前田藩に「独立割拠」の噂があるという。徹底的な武力鎮圧を考えていた参謀・山県狂介だが、西郷に「戦いを避けよ」と命じられ、さらに桂小五郎の指示で謎の老人が同行することとなった。一行は不穏な空気に包まれた百万石の城下町・金沢に乗り込んだ…。
著者等紹介
加納則章[カノウノリアキ]
1962年富山県高岡市生まれ。東京大学教育学部卒。週刊誌と単行本の編集者を経てフリーライターとして独立。医学、健康を中心に、歴史、企業経営からサブカルチャーにいたる幅広いジャンルで、単行本や雑誌企画の構成および執筆を行ってきた。『明治零年―サムライたちの天命』が作家としてのデビュー作である(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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kawa
26
幕末、天皇の徳川家討伐の詔勅が偽りだったというプロットで、加賀・前田藩の騒動を描く歴史ミステリー。なかなか興味深いテーマで楽しめるのだが、ややひねり、かたり過ぎで疲れてしまうところもありで、そこは跳ばし読みで読了。2020/07/01
ワッピー
25
読み友さんのコメントから。明治維新最大の詭計「錦の御旗」と「偽勅」の真相をめぐり、官軍に下るか、独立を宣するか、揺れる加賀藩内の内部闘争のまっただ中、剣豪斎藤弥九郎は奇兵隊の山県とともに金沢へ入る。暗殺された加賀家重臣長連恭が握っていた証拠とは?植民地化を画策する諸外国、独立国家の道を模索して苦悩する官軍指導層、侍とデモクラシー、そして剣技と併せて人の心を見て取る弥九郎の活躍に、司馬遼太郎の諸作を思い出しながら一気読み。諜報と剣戟と思想の闘争の時代を書いた快作。10年後の亀裂はここから発していたのか…2020/10/17
パーやん
2
維新の勅書は偽造だった...と云う噂は事実なのか。証拠はあるのか。偽勅に惑わされずとして藩論が割れる加州に、西郷、桂の意を受けた錬兵舘斎藤弥九郎が入り込み藩主前田慶寧と渡り合う。歴史物なのに真相が読めない面白さがある。ちょっと長いけど、デモクラシーを掲げる西洋文化を是とせず、志ある侍を数多く残して欧米と対峙しようとする西郷の姿にうたれます。この作品は◎です。2020/10/14
四男の母
1
歴史物のミステリーで、斎藤弥九郎が謎解きをしていた。ミステリーにするため、ちょっとまわりくどいところもあったけどおもしろかった。斎藤弥九郎がメインの本が読みたくなった。2022/04/25
きよかつ
0
登場する剣豪の生き様、考え方が魅力的。サムライとはの定義、明治維新のスゴさに感銘を受けた。生まれながらの太守とは?生まれながらの太守は神輿でも良いのか?何故か泣ける小説だった。10/102021/03/22
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