出版社内容情報
「図書館と変人のための」叙事詩
1920年冬、27歳の詩人は革命後二つ目の大作を書き上げる。ロシアの総人口数を表題とし、人々すべてが作者であるかのように詩人は印税を放棄し無署名での出版を企てるも、あろうことか《わるい雑誌を出す筈がない、国立出版所が》と後にうたうことになる政府出版局のサボタージュにあい、3通の抗議の手紙のやりとりの後、ようやく初版5000部が世に出る。アメリカはウィルソン、ロシアはイワン。両大国の間で戦われる20世紀のトロイ戦争を描く。日本翻訳家協会特別賞。
著者等紹介
マヤコフスキー,ヴラジーミル[マヤコフスキー,ヴラジーミル] [Маяковский,Владимир Владимирович]
ロシア未来派の詩人。1893年、グルジアのバグダジ村に生まれる。1906年、モスクワへ引っ越す。非合法のロシア社会民主労働党(RSDRP)に入党し逮捕3回、のべ11か月間の獄中で詩作を始める。10年釈放、モスクワの美術学校に入学。12年、未来派アンソロジー『社会の趣味を殴る』のマニフェストに参加。13年、戯曲『悲劇ヴラジーミル・マヤコフスキー』を自身の演出・主演で上演。戦中に長詩『ズボンをはいた雲』『背骨のフルート』『戦争と世界』『人間』を完成させる。30年4月14日、モスクワ市内の仕事部屋で謎の死を遂げる
小笠原豊樹[オガサワラトヨキ]
ロシア文学研究家、翻訳家。1932年、北海道虻田郡東倶知安村ワッカタサップ番外地(現・京極町)に生まれる。51年、東京外国語大学ロシア語学科在学中にマヤコフスキーの作品と出会い、翌52年『マヤコフスキー詩集』を上梓。56年に岩田宏の筆名で第一詩集『独裁』を発表。66年『岩田宏詩集』で歴程賞受賞。翻訳多数。2013年出版の『マヤコフスキー事件』で読売文学賞受賞。14年12月、永眠。享年82(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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