内容説明
わが国最古の神話伝説を主とした歴史物語から、心に深く響く物語を選び、構成し直し、魅力的な恋の短編として仕立てたものです。大昔の物語でありながら、現代の私たちよりも、むしろ情熱的で、果断、知的でさえある登場人物たちに、拍手を送ってください。
著者等紹介
清川妙[キヨカワタエ]
1921(大正10)年、山口県生まれ。奈良女子高等師範学校(現・奈良女子大学)文科卒業。数年の教職を経たのち30代の終わりから文筆活動に入る。古典評論、エッセイなどで活躍(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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森の三時
22
我が国の神話伝説のような古事記。大人のたしなみとして粗筋くらい知っておきたいものですが、難しい漢字や読みにくい名前が多く、読み通すには骨が折れるので、恋に絞ったエピソード集を読んでみました。ギリシャ神話と同じように、神々と言っても人間臭い恋をしています。むしろ現代より潔い恋だと感じました。急に読み出したのは、安田靫彦の描く神話の絵を観たから。彼の品のある女性像を思い浮かべました。また、清川先生の解説に力が入っています。90歳を過ぎてもなお、若い人に伝えたいという情熱を感じました。御冥福をお祈りします。2016/05/22
ニャン
8
古事記の恋の物語をピックアップして、清川さんの美しくて柔らかい言葉と表現で解説してくれています。これを読んで、古事記への興味が湧き、古い時代の日本のことももっと知りたくなりました。個人的に清川さんの感性というか表現というか文章がとても好きなので、かなり高齢でいらっしゃるけれども、もっともっとたくさんの古典を紹介して欲しいなぁ…と思います。2013/09/11
keiko_f
4
感情というものは時代が移っても結局同じで、「進歩」とは別の次元の話なのだと、あらためて感じさせられた。 清川さんの著作は読んだことがなかったけれど、齢九十を超えてなお恋を語れるって素敵。それも「感情は不変」の証明か。2013/02/07
ねこママ
3
「古事記」は、日本最古の歴史書とされている。その辺りは学生時代に習ってもいるし、今更言うことでもないんだけど、私にとっては「神話」のイメージがある。多分、最初の方に天地開闢の話があるからだろうな。それに、全部は読んだこともないからか。一応、短大生の頃の授業で「古事記」には触れたんだけどねぇ。 この手の本に出てくる話でお決まりなのは、「伊邪那岐と伊邪那美の国産みの話」や「倭建(ヤマトタケル)」、「大国主」で、この本も例外ではない。(感想全文は Blogにあります)2013/06/20
kaguyam
2
短編風に特に印象的な恋の話をまとめた一冊。 割りと薄いのかと思いきや意外と解説が丁寧かつまとめ方が巧くて違和感なし。 さすが元教員、ということなんですかね。 いい加減古事記読み直さなければ…2014/06/26