内容説明
現代俳句は、ひたすら分裂と解体に向って速力を加えつつある。これを衰弱とすれば、この情況打開に立ち向かう静謐、かつ真摯な方法と精神の明示がこの一巻にある。
目次
1 作家論(鈴木六林男論;都市―鈴木六林男の場合;幽界からの使者―林田紀音夫;鰯の食べ方―下村槐太;健全なる肉体―金子兜太;実作者としての祈り―伊丹三樹彦;形式の意味―高柳重信;虚無と象徴のあいだ―河原枇杷男『西風の方法』;水・その近代を超える回路―和田悟朗『桜守』;橘孝子の〈近代〉;〈余計者〉の系譜へ―徳弘純;秩序と身体―出口善子;森田智子の世界;光の中から―徳弘喜子『万燈』)
2 情況へ(始原への眼差―中上健次『紀州』;言語的情況から ほか)
3 わが俳句(俳句との遭遇―わが俳句年代記;連句私観 ほか)