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出版社内容情報
≪集団における幻想の循環にかんする一般理論≫人間集団の心理的現実にはじめて包括的な叙述を与え、集団療法の重要性とともに、全ての集団の成員とその指導者が引き起こす《諸幻想の循環》を解剖した精神分析学の名著。市民グループ、政治集団、会社集団から心理セミナーやカルト宗教教団まで、どんな人間集団にもひきおこされる諸幻想とその循環に自覚的であることがいまとても切実な課題といえます。
原書初版は1975年に刊行され、集団心理学研究の古典として高い評価を受け、各国語に翻訳されてきたが、邦訳はなかった。本書は1984年刊の第2版をもちいてはじめられたが、著者の要請にもとづき1999年刊行の第3版に準拠した追加・訂正をおこない、ルネ・カエスの第3版序文をも巻末補遺として加え、はじめての邦訳として出版した。なお、邦訳として『分析的心理劇』(篠田勝郎訳、牧書店、1965年)があるが、現在は絶版。
◇編集者註:オーム事件以後の、現代日本の「集団」をめぐる精神状況をかんがえる時、本書の重要性について、ほとんど誰も書評にとりあげようとしなかったのは何故であろうか。本書は一般紙誌の書評にはひとつも取り上げられなかった。
内容説明
集団における幻想の循環にかんする一般理論。『人間集団の心理的現実』にはじめて包括的な叙述を与え、集団療法の重要性とともに、全ての集団の成員とその指導者が引き起こす『諸幻想の循環』を解剖した精神分析学の名著。
目次
序論 集団の想像界、集団の局所論的構造および幻想の組織化
第1章 集団状況における精神分析技法とその規則
第2章 集団における想像界
第3章 集団と夢との類似性―欲望および脅威を想像的に成就するものとしての集団
第4章 集団イリュージョン―共同の「理想自我」
第5章 集団とは口である―集団における口唇性の幻想表象
第6章 解体幻想
第7章 集団=機械の幻想、あるいは誘惑者=迫害者としての集団
第8章 逆説的抵抗―集団の自己破壊
第9章 集団、父のイマーゴおよび「超自我」
第10章 集団における幻想の循環にかんする一般理論
補遺 集団の皮膚―自我(第三版第11章)