内容説明
あなたの知りたかった賢治がここにいる。岩手初の直木賞作家・森荘已池がふれあう人々。珠玉の「感動」と「驚き」全218篇。朝日新聞岩手版、昭和55(1980)年6月2日から一週一篇ずつ昭和60(1985)年9月23日まで250回連載の218回分を収載。
目次
公刊本までの推敲の跡
疎開の高村翁命拾い
わからぬ詩書く人
下宿近く「馬コ」往復
ちゃめっけとさわぎ
競技会で異様な合唱
宗派の差で父子激論
生徒集め、懸命の募集
大根メシに心痛める
東北本線で初代繁盛〔ほか〕
著者等紹介
森荘已池[モリソウイチ]
明治40(1907)年、岩手県盛岡市に生まれる。本名・森佐一。盛岡中学4年のとき、宮沢賢治の訪問を受ける。昭和19(1944)年、「蛾と笹舟」「山畠」で第18回直木賞受賞(岩手県初)。平成6(1994)年、第4回宮沢賢治賞受賞。平成11(1999)年、肺炎のため逝去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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へくとぱすかる
45
『春と修羅』作品中に本名で登場する(!)ほど、生前の賢治と交流のあった森氏が、書いて後世に残さなければ、との思いで新聞に長期連載したもの。さすがに当事者でなければ知らない事柄が満載。岩手山で賢治が野宿したことは知られているが、同行してみたその実態は、やはり生やさしくはなかった、等々。何より賢治の人となりの描写が、存命当時を生き生きと感じさせる。2018/09/03
彼岸花
5
賢治さんとの邂逅録です。面白おかしい先生であり、作った童話を、自分の子供と称していたことなど、細かいエピソードが様々書かれています。(子供達は現代も素敵な花を咲かせています。)今更ながら、『雨ニモマケズ』精神そのものの人生でした。岩手が生んだ最大の詩人です。 2018/03/12