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内容説明
景色が一変した故郷、女川町、五七五にこめる中学生たちの想い。津波が町を襲ったあの日から―2011年5月と11月に、宮城県女川第一中学校で俳句の授業で行われた。家族、自宅、地域の仲間、故郷の景色を失った生徒たちが、自分を見つめ、指折り詠んだ五七五。記者として編者は、友や教師や周囲を思いやり支えあう彼らの姿、心の軌跡を丹念にたどる。
著者等紹介
小野智美[オノサトミ]
朝日新聞記者。1965年名古屋市生まれ。88年、早稲田大学第一文学部を卒業後、朝日新聞社に入社。静岡支局、長野支局、政治部、アエラ編集部などを経て、2005年に新潟総局、07年に佐渡支局。08年から東京本社。11年9月から仙台総局。宮城県女川町などを担当(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ぐうぐう
16
未体験の悲しい出来事を言葉にすることは、とても困難なことだ。大人にとってもそうなのだから、子供ならなおさら。ましてや、五七五という俳句にしなければいけないとは。しかし、女川第一中学の生徒達は、自分の想いを一生懸命、十七文字に込めようとする。込めようとすることで、あの日のことを改めて振り返り、あの日からの想いを辿り、今の気持ちを知っていく。そして、十七文字に込められた想いと、十七文字から零れ落ちた想いを掬い取るのだ。「見たことない 女川町を 受けとめる」(つづく)2012/08/09
さんつきくん
11
3.11の震災。多感で大切な時期に受けた深い衝撃。女川第一中学校(現女川中学校)の生徒達は授業で自分自信と向き合って川柳をしたためた。別の出版社が出した「まげねっちゃ〜」の本と一緒に読んでもらいたい一冊。生徒達が詠んだ句集。川柳とその句を詠んだ背景が綴られている。笑顔になってもらいたいと前向きな句を詠んだ子もいれば、複雑な思いを吐露した子いて、読む側も思うものがある。この子らが震災と真っ正面から向き合って、したためた句。授業参観の時に、その句を読んで泣いた親子さんもいたとのこと。2014/02/04
こつ
8
仕事に関連するので手を出しましたが、涙なくしては読めません。あの津波を経験して家族や家をなくした中学生たちの俳句。あれからもう6年も経つけれどその悲しみは色褪せることもなく、でも前を見るしかないのでしょうね。2017/03/05
シュエパイ
7
明るいお日様のさすカフェの窓際で、時々空を見上げながら、ゆっくり読みました。きっと、夜に一人で読むのは、たえきれないのです。『聞いちゃった育った家を壊す日を』が、一番、胸を刺してくるのです。哀しみを、孤独を、それから立ち上がる勇気を、五七五に昇華させた子供たちの強さに、強く強く惹き付けられる本でした。2013/05/02
gachi_folk
7
いつだって 道のタンポポ 負けてない。しびれた。決して他人事ではない。復興の正しい姿を、この本は示してくれた。ナイス コメント(0) - 08/292012/08/29
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