内容説明
インドの仏教経典を正しく読めば葬式仏教が正しい道だと分かる。気鋭の仏教学者がインド原典に基づき従野の日本仏教批判を明解に論破、仏教寺院に新たないのちを蘇らせる画期的名著。
目次
第1章 葬式仏教・祈祷仏教は間違っていない(近代仏教学と日本の伝統仏教のギャップ;初期仏典に見るインドの仏教 ほか)
第2章 葬式仏教を解く鍵は『金光明経』にある(仏教はなぜカースト廃止運動をしなかったか;仏教のカースト否定が及ぼした効果 ほか)
第3章 インド仏教滅亡の要因が葬式にあるわけ(人は宗教に何を求めるのか;カーストを形成しなかった仏教の滅亡 ほか)
第4章 葬式仏教は釈尊の教えである(仏教が民衆に浸透したわけ;インド仏教の滅亡を教訓として ほか)
第5章 亡くなった人に戒名を授けるのは正しい(日本独自の戒名死後授与問題;釈尊の初転法輪に学ぶこと ほか)
著者等紹介
鈴木隆泰[スズキタカヤス]
1964(昭和39)年、東京都生まれ。東大工学部・文学部卒、東大大学院印度哲学印度文学専攻修士課程修了。東大にて博士(文学)。東大東洋文化研究所助手、山口県立大教授を経て、同大大学院国際文化学研究科長。2004(平成16)年日本印度学仏教学会賞を受賞。専門はインド哲学仏教学、インド大乗経典研究。東京都日蓮宗善應院住職(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ワタル
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「正当論」というタイトルだけあって、今までの大乗非仏説等の論の否定ではなく、「日本仏教も確かな仏の教えなのだ」という肯定の文で書かれているのでとても読みやすかった。 方便の解説のところで例えがめちゃくちゃわかりやすかった(いい頭痛薬が手に入ったからといってもう胃薬がいらないということではない、みたいなことが書いてあった)のは、研究者であり現役僧侶でもある筆者ならではだと思う。「何であれ善く説かれたものであれば、それは全て釈尊のことばである」という言葉はものすごくいい言葉だな。覚えておきたい。2019/05/31