内容説明
本書は、近代的状況に向き合う南太平洋ソロモン諸島の人々と社会のリアリティを描きだすことを目的としている。彼らは、資本主義を拒否するわけでもなく、西洋的普遍主義を殊更に嫌悪しているわけでもない。反近代でも前近代でも、脱近代でもない「ソロモン諸島的近代」の様相を導く論理を、人類学的視野から明らかにするものである。西洋近代化を指向する近代社会の一般的潮流の中から派生してきた「抵抗」の姿を、7つのキーワードをたよりに7つの章にまとめている。
目次
第1章 「持続可能な開発」―土地意識の覚醒と開発
第2章 「程々の近代」―都市と村落の使い分け
第3章 「不公平な平等」―エスニック・テンション(国内紛争)が意味するもの
第4章 「近代的なるもの、政府の責任」―コンペンセーション(賠償)を求める人々
第5章 「満たされぬマジョリティ」―若者の葛藤
第6章 「州民アイデンティティ」―州民の「脱国民化」
第7章 「開発的公共圏」―国家との向き合い方
著者等紹介
関根久雄[セキネヒサオ]
1962年東京都生まれ。総合研究大学院大学文化科学研究科(国立民族学博物館)博士後期課程中退。名古屋大学大学院国際開発研究科助手、筑波大学社会科学系講師、助教授をへて、現在、筑波大学人文社会系教授、博士(文学)。専攻は文化人類学、地域開発論、オセアニア島嶼研究(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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