内容説明
近代中国に押し寄せた新しい文化の波は、中国が誇る伝統芸術の「書」にもさまざまな変革をもたらした。美術団体の組織化、近代学校における「書」の導入、技術革新に伴う書の出版事業、収蔵活動やデータベース化―これらの試みは近代型の「グローカリゼーション」ともいうべき側面を持っている。「書」をめぐる新しい動向を多面的に検証し、今後の「書文化」の行方を探る画期的な労作。
目次
はしがき 現代の書を再考するもう一つの鍵
第1章 書の結社―西〓(れい)印社の誕生を例に
第2章 書の出版―有正書局の出版物を例に
第3章 書の教育―上海美術専門学校における書の講義を例に
第4章 書の収蔵―羅振玉の情報収集を例に
第5章 書のデータベース―『集帖目』の法帖記録を例に
終章 清末における尺牘集の刊行
資料編
あとがき 余技性からみた書文化の行方
著者等紹介
菅野智明[カンノチアキ]
1965年福島県生まれ。1994年筑波大学大学院修士課程芸術研究科修了。福島大学教育学部講師、助教授を経て、筑波大学大学院人間総合科学研究科芸術専攻准教授。博士(芸術学)。書学書道史学会理事。第3回青山杉雨記念賞・奨励賞受賞(2000年)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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