内容説明
写真家・甲斐扶佐義が35年間撮り続けた写真から、杉本秀太郎が「どこにもない京都」を綴る、珠玉の”写真エッセイ集”。
著者等紹介
杉本秀太郎[スギモトヒデタロウ]
1931年、京都市生まれ。京都大学仏文科卒。国際日本文化研究センター名誉教授、日本芸術院会員。『洛中生息』で日本エッセイスト・クラブ賞、『文学演技』で芸術選奨文部大臣新人賞、『徒然草』で読売文学賞、『平家物語』で大佛次郎賞を受賞。生家は寛保3(1743)年創業の京呉服商「奈良屋」
甲斐扶佐義[カイフサヨシ]
写真家。1949年、大分市上野生まれ。4歳のとき山香に転居。同志社大学政治学科入学(即除籍)。ベ平連の運動に参加。岩国市内の反戦喫茶店づくりに参加。京都今出川に「ほんやら洞」オープン。京都木屋町に「八文字屋」オープン。2009年、第22回京都美術文化賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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チェアー
6
杉本さんのなんとなくのエッセイ。むしろ、甲斐さんの写真をどうまとめるか、というところから始まったよう。まとまりがなくふわふわした浮揚感は独特。京都の懐かしい風景と人に見入る。2016/06/01
生島国宜
0
「夢とは現実以外の全てである」という台詞は確かニール・ゲイマンのサンドマンに出てきたと思う。芸術作品のうち現実に最も近いのは写真じゃないだろうか。少なくとも見た目はそう見えるだけに、甲斐さんの写真の夢想の佇まいは啞然とする。杉本さんの文章もまた夢とうつつを行ったり来たりして、読めているのか読めてないのか。京都、平家物語、古事記、夢。圧倒的な写真と散文集。全く言語化、現実化出来ない。2012/05/13