フランケンシュタイン・コンプレックス―人間は、いつ怪物になるのか

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  • サイズ B6判/ページ数 269p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784903735146
  • NDC分類 930.26
  • Cコード C0098

内容説明

あなたも「怪物」になる種子をもっている!―自分を生んだ「父」に拒否され、「怪物」になっていく醜い「息子」。「父と子」「生命創造」「人工知能」…。200年前、20歳の少女が書いた怪奇小説『フランケンシュタイン』には、いま、我々が突きつけられている今日的な問題が、恐いほど予兆されている。『フランケンシュタイン』『ジーキル博士とハイド氏』『透明人間』『ドラキュラ』そしてスピルバーグの『ジュラシック・パーク』『A.I.』『ミュンヘン』の、ぞっとする読み方。

目次

第1部 扉を開けた「フランケンシュタイン」(「怪物を生みだしたフランケンシュタイン」;「フランケンシュタインの呪縛」)
第2部 怪物になることへの恐怖(「自らが怪物化するジーキル博士」;「透明人間がもつ欲望と不安」;「ドラキュラと同化することへの拒絶」)
第3部 怪物を生みだすことへの恐怖(「二十世紀に生みだされた怪物たち」;「怪物にとりつかれたスピルバーグ」;「パンドラの箱を開ける」)

著者等紹介

小野俊太郎[オノシュンタロウ]
1959年札幌生まれ。文芸評論家。文化現象としての文学や映画の関係、ジェンダーの問題などに取り組んでいる。成城大学大学院博士後期課程単位取得中退。現在、成蹊大学などで教える(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

サアベドラ

11
メアリー・シェリーのゴシック小説『フランケンシュタイン』と、それからアシモフが定義した「フランケンシュタイン・コンプレックス」をもとに、『ジーキル博士とハイド氏』からスピルバーグの映画までの様々な作品を読み解く。話のネタ自体は大変興味深いものの、議論の前提が曖昧(シェリーの作品自体の内容とアシモフの定義をごっちゃにして論じている箇所がある)で、しかも余計な記述が多いため、ちょっと散漫な印象を受けた。定義をちゃんとして無駄な枝葉をカットすれば、もっとスッキリした論考になってたんじゃないかなあと思う。2013/04/26

組織液

6
メアリー・シェリー『フランケンシュタイン』を読んでみたので参考にこちらも。うーん正直よくわからなかった… というかフランケンシュタインと直接関係あるものもが少なくて個人的に思ってたのと違いましたね() 挙げられていた他作品も読んでからまた参考にしてみます。2021/12/22

yumiha

5
ホラーだと思い込んでいたフランケンシュタインだが、人との共感を求め、そのためにコトバを覚え、文字すら獲得し『失楽園』や『若きウェルテルの悩み』まで読みこなしていた。人間ではない怪物として作られながら、人間らしさを求めたフランケンシュタインだったという原作に驚いた。打ち倒すべき怪物を生み出す、つまり必要とする人間社会の哀しさを思った。2010/09/09

misui

3
フランケンシュタインからスピルバーグに至る怪物の系譜をたどる。キーワードは「ブラックボックス」。フランケンシュタインを起点として、ジキル博士、透明人間、ドラキュラなどの怪物作品を歴史・社会の視点から読み解き、具体的な姿形を持つ存在から社会的なシステムへとブラックボックス化する怪物の内実を見つめることが重要だとする。フランケンシュタインの創造者と被造物の関係は現在の科学技術や産業の中にも見出せる。怪物テーマでここまで今日的な問題に迫れるのかと驚かされた。2011/05/03

ポカホンタス

3
「フランケンシュタイン」は20才そこそこの女性作家メアリー・シェリーが書いた小説。そこから「ジギル博士とハイド氏」、「透明人間」、「ドラキュラ」、「チャタレイ夫人」、スピルバーク作品(「ジョーズ」「ジュラシックパーク」など)へと連なる怪物の系譜。怪物を怪物として排除するのではなく自らの内なる怪物に目を凝らすようにと促す怪物論。結論は平凡だが、随所にオタク的発見があり、楽しめた。2010/02/21

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