目次
第1章 ソ連以前のセクシュアル・マイノリティ(中世における同性愛;近代化と同性愛;「同性愛者」の誕生―性科学の流入;女性同性愛について)
第2章 ソヴィエト時代の性的少数者―同性愛を中心に(同性愛の脱犯罪化;スターリン体制から「雪解け」期までの同性愛;同性愛文化の復活と「LGBT」コミュニティの萌芽;ラーゲリのなかでの同性愛;ソ連におけるトランスジェンダー)
第3章 ソ連以後の「LGBT」運動の展開(ソ連崩壊とセクシュアル・マイノリティの可視化;「LGBT」アクティヴィズムの第一の波;アクティヴィズム第二の波―インターネットの発展とともに;「Gay Russia」と「ロシアLGBTネットワーク」(第三の波の到来))
第4章 ロシアの「LGBT」の今―同性愛宣伝禁止法の衝撃(「同性愛宣伝禁止法」について;「同性愛宣伝禁止法」制定の意図;「同性愛宣伝禁止法」の影響―ヘイトクライムと人々の連帯;トランスジェンダーの性別変更要件の改正;「LGBT」当事者による活動の展開;現代ロシアのトランスジェンダーの現状と課題―当事者の声)
著者等紹介
安野直[ヤスノスナオ]
1992年長崎県生まれ。早稲田大学文学部卒業。早稲田大学大学院文学研究科修士課程修了。現在は桐朋学園大学音楽学部非常勤講師、早稲田大学大学院文学研究科博士後期課程在学中。専門はロシア文学、ジェンダー論(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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🍭
7
ちょっとした縁があって読ませていただきました。自分が分類するなら367(家族問題. 男性・女性問題. 老人問題)。ユーラシア文庫2019年4月25日出版。著者の安野直の論文を少し一般向けに改稿されたもののようで、かなり手軽にロシア内でのLGBT政策の変遷と、はっきりいって法制度の改悪の歴史が一冊で凡そ辿れるので、「共産圏(ロシア)の中での同性愛についての扱い」を学びたかったので興味深かったです。文章もシンプルでこういう文章が書きたいと感じました。もう一冊の著作も入手してあるのでそのうち読みます。2025/02/02
kamachirui2
0
読了。時流に逆行するような法律が割と最近できたこともあり、ロシアはこの件に関し歴史的にずっと頑なな態度をとっている国という印象がある。実際はそうでもなく、法律だけ見るとむしろ先進的と言える時代があったりで、結構イメージと違っていた。件の法律(同性愛宣伝禁止法)の内容も当事者が直ちに罰せられるようなものではないらしい。が、規制の力を弱める(妥協する)ことで数年かけて制定に至った経緯を聞くと国家のスタンスがわかるし、じわじわと差別的な空気を助長しているのは確実で、ある意味非常に狡猾なやり方だと感じた。2019/09/20
ちゃん
0
海外(特にヨーロッパ周辺)の施策って進んでるイメージを抱きがちだけど、ロシア人たちは結構抑圧されてる。2019/09/07
もじゃもじゃ
0
アジアと西欧以外の「LGBT」の歴史と現在を俯瞰するのには丁度いいし新規性がある。高校で習うロシア政治史がわかればすごく読み進めやすくておすすめ。巻末に年表あり。2019/07/09