内容説明
生まれ故郷、北海道の大地を思わせる大らかで骨太の語り口で、「心のご馳走」を語り続けるおかつ。江戸弁を基調として、巧まざるユーモアで聴き手を引き込む一方、戦争という負の遺産を、民話的な語りの方法を用いて物語化することを試みはじめた新三郎。生きるための知恵がいっぱいに詰まったゆたかな語りの世界へ…語り継ぐ文化遺産。
目次
おかつ語り(千葉・船橋できいたむかし;旅先できいたむかし;北と南のむかし;中国貴州省できいたむかし)
新三郎語り(江戸・東京ことばのむかし;動物のむかし;植物のむかし;人のむかし;南の島のむかし;戦争のむかし)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヒラP@ehon.gohon
12
二人で行う語り聞かせの旅も変わっていますが、後半で語られる戦争の話、付属資料に収められた、沖縄の旅と沖縄での語り聞かせに思いを熱くしました。 昔話、民話を語り聞かせるということは、人に伝えるということだと、改めて感じました。 そう思うと、戦争の事も同じですね。 何を伝えるかは別として、伝える気持ちがなければ、話したことが宙に浮いてしまうのかも知れません。 民話の面白さに加えて、読み聞かせの必要条件について、感じさせられた一冊です。 読み聞かせをしている方にお薦めです。2016/07/05